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伊賀有機農産

主要品目の出荷スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
ほうれん草
青ねぎ
みず菜
レタス
キャベツ
トマト
ピーマン
にんじん
日野菜(かぶ)
大根
たまご
お米・古代米

Farmer Profile

NPO法人
伊賀有機農産供給センター

伊賀有機農産供給センター

1980年に現代表の松井氏が三重県伊賀の地で、循環農法の草分け的存在であった久門太郎兵衛氏が拓いた天地農場で学び、独立。「くらしの変革の内から安全な食べ物を」「子供たちと手作りの未来を」を旗印に、1984年に3軒の農家で「伊賀有機農産供給センター」を設立。その後、生産者数が10軒を超え、2012年にNPO法人化。露地栽培、無農薬・無化学肥料栽培の野菜やお米づくりに取り組んでいる。

命の循環

 農業とはただ単に作物をつくるだけのことではない。「農業は命の循環」。そう話す伊賀有機農産さんの生産者さんたち。細かいルールや規則に縛られるのではなく、あくまでも各生産者の自律した考え方ややり方を尊重し、幅広い世代の生産者だけでなく、受け手である消費者や地域の人々も巻き込みながら、美しい大地と空を子ども達に繋げるべく、誠実に、そして全力で取り組まれている団体です。

郡野

担当:郡野

有機野菜 伊賀有機農産

ーー伊賀有機農産供給センター(以下、伊賀有機農産)さんについて教えてください。

 伊賀有機農産は、ここ三重県伊賀地域で独立した農家が支え合うために集まるグループとして、個人を尊重しつつ、いろいろな方を仲間として受け入れ、助け、時には厳しく時には暖かく見守る、そんな団体です。支え合いの一つの形として、みなで集めた農産物をまとめて出荷しています。また、私たちの団体の特徴として、援農やイベントの企画などを通して、生産者だけでなく、作物の受け手である消費者の方々や地域の方々も参加し、生産者と消費者、そして地域が一丸となって活動をしていることがあります。

ーーそれぞれの農家さんが有機農法を実践されているのでしょうか?

 私たちは、循環農法、露地栽培、無農薬・無化学肥料栽培を実践しています。農薬や化学肥料については、有機JAS認証で許されているものも含めて使用していません。そもそも、そうした農薬や化学肥料を畑に撒くための散布機自体を持っている人もいないと思います。

 ただ、そうした根底の部分を除いて、伊賀有機農産に、決まった農法はありません。決まった思想もありません。ここにはただ、「このままで美しい大地と空を子どもたちに残していけるだろうか?」、と疑問に思った人たちがともに考え、支え合い、それぞれの方法で表現するために、寄り集まってきています。農業というのは、そのためのひとつの手段にすぎないと考えています。

ーー有機農業の原則は共有しつつも、その中の細かい農法までルールを設けるのではなく、あくまでも各生産者さんの自主性が中心にある団体ということですね。

 そうですね。自分の理解できないところで作られるモノ、決められるルール、捨てられるゴミ。人はいつしか社会に振り回され、生かされ、殺され、そして無責任になっていきます。生きることの原点である「食」から始め、自分が生きることを取り戻したい。それが、伊賀有機農産の根っこにある考え方です。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー露地栽培、無農薬・無化学肥料で作られる理由はなぜでしょうか?

 おそらく、人間も、身の回りにある関係の中だけで生きていた頃は、大地と空がそんなに汚れることはなかったんです。私たちは、身の回りにあるもので、「食」を求めたい。だから、自然の法にならい、落ち葉や糞尿からの土作りに学んでいます。自分で作れないもの、遠方から取り寄せなければ・・・

ならないものは、極力使いません。

 また、周りとの関係を断ち切って野菜を管理するのでなく、風や虫にさらされた露地を選んでいます。それが、循環農法・露地栽培・無農薬無化学肥料を進める理由です。それでも、より多くの仲間に野菜を食べてもらおうと思ったら、より多くのものを補わなければいけません。

 そのためには、残念ながら、車を使ったりもしますし、鍬の先にある鉄だって、自分では作れません。 子を育て、社会で生きていくために、お金も使います。そういう感じで、現実と目標の間で揺れ動きながら、それぞれができる精一杯のことをやりながら、野菜を作っています。

有機野菜 伊賀有機農産

 最近エコやリサイクルなど、物質的なものが循環するということはよく言われているのですが、そこに命のつながりみたいなものがないんじゃないかということはよく考えます。

 農業で言うと、例えば点滴溶液栽培などは、ハウスの中に張り巡らせた配管から効率的に養分を落として作物を栽培します。たしかに、そこにムダはないのですが、命が繋がっていないと言うか、本来畑に入って来る虫なり動物なりが入って来ないというのは私たちの目指す世界観とは違うと思います。。

※ 配水管、チューブやエミッタ、弁などからなる施設を用い、土壌表面や根群域に直接ゆっくり灌漑水(養分を含む)を与えることにより、水や肥料の消費量を最小限にする灌漑方式であり、トリクル灌漑やマイクロ灌漑ともよばれる。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー命の繋がりですか?

 はい。農業とは、ただ、作物を作るだけということではないと思います。先ほどお話したように、完璧に整えられた溶液中に計算された肥料成分を満たし、エアコンで適度な風や温度を満たし、LEDなどで光環境も整えて、と限りなく条件を整えるなどの研究によっても、おいしく、安全な(一般的な、安全安心)作物ができると注目され、そうした取組みも広がっています。

 ただ、こういう単なる物質の循環として・・・

農業をとらえて良いのかなと思ったりもします。農業は、命の循環であると私たちは考えています。「畑」と聞いた時、手つかずの大地や原生林などの誰もが認める「自然」にくらべたら「自然」というイメージではない場所かもしれません。

 畑は人が作物を栽培するという不自然で人工的な状態にもかかわらず、自然を抜きにはできない、続かないそんな場所です。微生物を含む土壌、から植物、そしてその植物を食べる人の命がつながっていると考えると、周辺には様々な草花、木々、たくさんの鳥たち、魚たち、昆虫や両生類などなど、ありとあらゆる命が複雑に関係しあい存在していることがわかるかと思います。

有機野菜 伊賀有機農産

 最近クローズアップされることも多くなりましたが、そうした背景から、生物多様性なしでは(農業は)成り立たないのです。私たちは、鳥のさえずりを聞く、花の香を嗅ぐなど、日々、山や都会の街路樹などを含めて様々な場所で出会う四季折々の多様な生き物の姿を美しいと感じています。

 畑では、ヒヨドリのように野菜を食べたりする鳥もいます。イノシシや鹿なども作物に被害を加えます。ただ、そうしたヒヨドリやイノシシなどの生き物がいなくなれば、生産者は嬉しいのか。作物を食べる虫がいなくなったら良いのでしょうか。

 たしかに、人間にとって不都合な要素を遮断すれば管理しやすいように見えます。でも、そうしたことは、人間だけが生き延びれば良いという発想です。

 私たちが、命の循環の中にいるということに気づくなら、虫やイノシシなどがまったくいなくなれば、それが自分たちにも影響してくるということがわかるようになります。将来、人間の技術が相当進歩するとしても、命の循環の輪の一つである人間が「命の循環」そのものを構築できるとは思えなくて。命は、替えがきかない重要なものだと私たちは考えています。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー一そうした事実を理解することは非常に大切なことだと思いますが、都市部を中心に、スーパーなどの量販店で当たり前のように食材が並ぶ中で、消費者がそうした部分を意識する機会がほとんどありません。

 そうですよね。「わたしたちの身体は毎日いただく食べ物が形を変えたもの」という言葉があります。どんなに高層ビルが建っている都市であっても、「命」と「命」が繋がっています。

 例えば、「食べ物」つまりお米や野菜や果物などを通して毎日つながっています。自分たち今の暮らし方は・・・

子どもたちの未来にどんな影響を与えるのだろうか、と考え、取り組むことは自然な想いではないかと思います。これまでも人間は、親が子の幸せを願い、自然の中で育まれながら、未来を願ってきたはずです。

 そして、暮らしを通して考えるということは、身近で考えやすく、取り組みやすい方法ではないでしょうか。

 「こどもたちと手作りの未来を・美しい大地と空をこどもたちに」。伊賀有機農産は身近な食べ物を通してそう呼びかけ続けています。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー伊賀有機農産さんの生い立ちについて教えてください。

 有機農法の取り組みは30年以上前の1980年にさかのぼり、代表の松井佳昭さんが就農したことから始まりました。使い捨て時代を考える会・安全農産供給センターの直営農場のスタッフとしての就農でした。

 翌年、循環農法・久門太郎兵衛氏が拓いた「天地農場」に学び、独立。「くらしの変革の内から安全な食べ物を」「子どもたちと手作りの未来を」という考えで・・・

1984年、3軒の農家で伊賀有機農産を立ち上げました。

 その後、若手生産者とそれに伴う若い世代の受け手の皆さんが定着し、農家数は十数軒を超え、より多くの仲間(作り手、受け手)の輪を広げるべく、2012年にNPO法人として再出発しました。

ーー伊賀有機農産の生産者さん達が大切にしているポリシーについて教えてください。

 私達が基本としていることは大きく3つあります。

それは、①自然・すべての生き物とともに生きたいということ、②暮らしを自らの手に、生きる術を身近に持とうということ、③自らがやるという3つのことを同じ志の元に集まる生産者と共有しています。

ーー地球に生きるものとしての自覚と自律ということですね。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー山口さん(風の木農場)は大手企業を辞めて農業の世界に入られたと伺ったのですが、農業を始めようと思った理由について教えてください。

 僕自身、実は学生時代から農業に関心があって、ぼんやりと就農という進路も考えていました。一方で、今でこそ高齢化や過疎化の進んだ地方ではどこも新規就農者の誘致に力を入れていますが、当時はまだ縁もお金もない新規就農者に対して優しい時代じゃなかったんです。

 お金と社会の現実を知りたいと会社勤めを始めて、その中でいろんなことを学ばせてもらいました。会社で務めていた6年間のうち半分は海外赴任もさせて頂きました。それでも、細分化されていく仕事のなかで・・・

自分の役割について色々と悩むことも多くなってきて。また、僕らの世代が感じていることに「無力感」というのがあるんじゃないかと思います。それは、複雑な社会が知らぬ間に自分を生かし、時には殺している、という現実のためだと思っていて。

 そんなときに、シンプルな生き方である農業を通じ、生かされている自分から自律して生きる自分、更には人を生かせる自分になりたいと想い、ちょうど30歳だった事もあって、会社を退職して農業の世界へ飛び込みました。

ーーそんな中で、数ある生産団体の中から伊賀有機農産さんに入られたのはなぜだったのでしょうか?

 ここに来る前に、長野県にある農業界では有名な農業生産法人で3年程研修をしていました。そこは慣行栽培で大規模にレタスやキャベツを作って成功している生産法人だったのですが、そこでの経験は、農業界に関する多くのヒントがあり、たくさんのことを学ぶことができました。でも僕は、最終的に独立するときには、有機農業の世界観にこそ未来があると思っていて、そんな中で、ここの代表である松井に出会って、自分が考えて来た理念をそのままやっている人たちがいることを知り、この団体で農業をやってみようと決意したことが大きな理由です。

ーー山口さんがお持ちになられていた理念とはどのようなものだったのでしょうか?

 自給自足による厳しい生き方、所謂、仙人のような生き方を極めるのでなく社会に打って出る社会性・運動性と、それを目くじら立ててやるのでなく笑い飛ばしながらやる姿勢というのでしょうか。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー山口さんが農業の世界に入られて、一番大変だったことは何でしょうか?

 一番始めにこの地域に来たときに、代表の松井に研修を受けさせてほしいということを伝えたら、自分は長野で就農経験があったのではじめから自分でやってみなよと言われて、耕作放棄地を頂いたのですが、草がすごくてユンボなどを使ってすごく苦労しながら耕作しました。

 その畑とは別のところで長野の研修先で経験があった、ほうれん草も作っていたのですが、長野と同じやり方でやってみるとここの地域の土が持つ水はけ能力の違いから、栽培していた三反の畑すべてが全滅したことがありました。

 そのことを松井に話したらそりゃダメになるわと笑われて(笑)だから研修受けさせてくださいって言ったのに・・・という感じだったのですが、そんなときに別の生産者たちがそれぞれの畑の一部を収穫させてくれて、それを収入の足しにしてなんとか生き延びることができました。

ーーそれが松井さんのある意味教育でもあったんでしょうね。ただ、そういう意味では、そうしたことが、同じ志を持つ生産者同士が集まって農業をすることの良い部分ではありますね。

 そうですね。いろんな考え方ややり方を持った人がコミュニティに多い方が、その分だけ色々なことができるので、個人でやるよりも僕はすごく面白いと思っています。

有機野菜 伊賀有機農産

ーー山口さんが目指される今後の目標みたいなものがあれば教えてください。

 まず、伊賀有機農産という団体に関して言うと、僕は出来るだけ多くの方にここの取組みや理念を広げていきたいと思っていて、そのために毎週地域の方やお客さんに野菜を直接届けていたり、季節ごとにイベントを打って畑に招いたり、あるいは、研修制度を整えて新しい生産者を向かえるための体制を整えたりしています。

 僕個人としては、やはりさっきもお話した通り、農業を通じて命の循環を常に感じながら、自律して生きていける自分、他の人を生かせる自分になる道を具体的に模索していきたい思っています。