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鈴木ファーム

主要品種の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
玉ねぎ
にんにく
ズッキーニ
古代米赤
ホーリーバジル

Farmer Profile

鈴木 和義・恵美
(すずき かずよし・えみ)

鈴木 和義

インドへの放浪の旅などを経て、東京から石垣島へ移住。長崎出身の妻と共に長崎県南島原市で新規就農。雲仙普賢岳の麓で、オリーブ・イチジク・野菜、古代米(赤)を農薬、化学肥料、堆肥を一切使わずに栽培する。種にもこだわり、圃場で栽培する作物の大半が、固定種や自家採種の種を使用している。息子と愛犬3匹を含む6人家族。

どこまでも謙虚で誠実な農家さん

 「嘘をつくような農業だけはしたくない」。そう力強く仰る鈴木さんご夫婦。自然豊かな、南島原市で夫婦仲よく営農を行なうお二人からは、生き物を育てる農業という仕事への高いプライドと強い愛着がひしひしと伝わってきました。そんな、どこまでも謙虚で誠実な鈴木さんご夫妻に営農に懸ける想いを伺ってきました。

上村 聖季

担当:上村

有機野菜 鈴木ファーム

ーー鈴木(和義)さんは東京のご出身だとお伺いしまいた。

和義:東京で生まれ育って、二十歳くらいからよく旅をするようになって。そうすると、もうカルチャーショックを受けちゃって、東京で生まれ育ったから東京が当たり前だと思っていたんですけど、色々な所へ旅をすることで逆に東京が異質に見えて来るようになりました。

ーー旅というと、どのようなところに行かれたのでしょうか?

和義:インドから始まって、欧州など海外へ出ることが多かったですね。東京で働いてお金が貯まったら旅に出るみたいな生活を送っていたのですが、あるときもう東京に戻るのが嫌になっちゃって(笑)。それで単純に暖かいところで住みたいとなって・・・

石垣島へ行ってみようと思いました。いざ石垣島へ行ってアルバイト先を探してみると農家さんばかりで。そこからですね、植物に興味を持って、関わっていくようになったのは。

ーー具体的に植物のどのような部分に惹かれていったのでしょうか?

和義:初めは野菜というよりは、観葉植物やハーブ、熱帯果樹などに興味を持ちました。観葉植物をつくる仕事なんかもして、挿し木したり苗を作ったりしていました。南国なので、観葉植物なんかも色鮮やかで綺麗で、東京で生まれ育った僕からするとそうした植物はとても新鮮だったんです。その辺にバナナも生っていたり、本当に天国に思えましたね(笑)。

有機野菜 鈴木ファーム

ーー鈴木さんが農業をやりたいと思われたのはいつ頃からでしょうか?

和義:実際にプロの農家としてやっていこうと考えたきっかけは、友人から青年就農給付金制度※について教えてもらったことですね。農業をやってみたいとは思っていたのですが、経済的にやっていけるかどうか自信がありませんでした。

 農業の立ち上げの時期をサポートしてくれるこういう制度があるなら出来るかもしれないと思って。農業をやってみる最後のチャンスかもしれないと思い、恵美の生まれである長崎県南島原市に戻り、そこで畑を借りて就農しました。

※ 青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、就農前の研修期間(2年以内)及び、経営が不安定な就農直後(5年以内)の所得を確保する目的で給付される給付金制度。

ーー石垣島ではなく長崎で就農されたのはなぜでしょうか?

恵美:私は石垣島に居た頃からいつかは九州に戻りたいと思っていて。また、農業という意味では、石垣島は南国の植物は育てられるのですが、色々な野菜やくだものを育てられるような土壌ではなかったことも長崎へ移った理由ですね。

有機野菜 鈴木ファーム

ーー鈴木ファームさんが無農薬栽培を選ばれた理由について教えてください。

和義:僕は元々、自然農法とかに興味があって、農業をやるにしても出来るだけシンプルなものにしたいという想いがあったので、当初から農薬や化学肥料を使った農業は考えていませんでしたね。

恵美:慣行栽培を否定する訳ではないのですが、農薬ってやっぱり自然界には存在しないじゃないですか。自分で畑をやっていても思うんですけど、まず自分自身がそういうもの(農薬)を扱いたくないなって思って。

 それに農薬というのは、作物にとっての害虫と言われるような微生物や草だけじゃなくて、畑や田んぼに住む沢山の微生物も一緒に殺していることになるんですよ。自然界というのは、微生物が土の中でそれぞれのバランスをとって生きている訳で・・・

それが本来の土の在るべき姿だと私は思っていて。自分が消費者の立場で食べるんだったら、食べたいと思えるような作物しか作りたくないので。

ーー農業をされる上で大変なことについて教えてください。

恵美:農業って最後の最後(作物を収穫するまで)分からないんですよね。生鮮品なので、収穫してからも消費者の方のところに届くまで気が抜けないところは大変ですね。以前は、最後の最後で、猪に作物を全部食べられたこともありました(笑)

和義:獣害という意味では、オリーブを20本植えた際に、19本猪に抜かれちゃったこともありましたね。

恵美:何かしら起こりますね。泣きたくなるんですが、泣いても変わらないから。

和義:悲しんでる時間があるんだったら対策をするしかないですからね。

恵美:そう、農業ってすぐに切り替えて対応しないといけないので。だから泣いている暇がない(笑)

ーー農業も起業と同じで、とにかく前を見て自分で動いていくしかないので大変ですよね。

和義:やっぱり人と人とが関わるとそれぞれの個性が出ますからね。常日頃、相手の立場を考えるというのは、実は植物に対しても同じなんですよ。

恵美:植物も人間と一緒だなってよく思うんですよね。植物だけでなく土壌についてもそう思います。

有機野菜 鈴木ファーム

ーー鈴木ファームさんの栽培へのこだわりについて教えてください。

和義:自分達の理想は、山のような土、何も撒かなくてもそこで循環するような土作り、圃場づくりを目指しています。微生物や虫達やそこに生えた草などが土を作ってくれていると考えていて、たくさんの生き物達が住む多様性のある土壌で育った作物は野菜本来の味を教えてくれます。

 ですので、私達の農園では、農薬や化学肥料はもちろんですが、動物性堆肥を含めた堆肥というものを使いたくなくて、今は土壌中の微生物の働きを作物の栽培に活かす炭素循環農法を実践しています。

 具体的にはキノコの栽培に使用する菌床、すなわち、キノコ廃菌床というものがあって、これを一度圃場に入れるだけなのですが、菌床が微生物の増加、活性化に役立ち・・・

土壌の団粒構造※が変わることで、作物が農薬や肥料が無くても農作物が元気に育ちます。

※ 土壌の粒子が小さなかたまりを形成している構造。保水性に富みながら排水性・通気性もよく、作物の生育に適する。(http://engei-dict.882u.net/archives/815[引用:写真で分かる園芸用語集])

恵美:理想は、循環型の農業ができるような農家になりたいですね。

ーー無農薬栽培などの付加価値型農場については、理念と経営のバランスをいかに取っていくかの舵取りが非常に難しいのではないでしょうか?

和義:そうですね。農業とっても経営という意味では会社の事業と同じなので、あまり初めから自分のプライドやこだわりに固執し過ぎると失敗する可能性も高いように思います。

 うちの農場では、無農薬、無化学肥料、無堆肥、動物性肥料・堆肥を使わないということが基本ですが、それ以外については出来るだけ柔軟に農業をしていきたいと思っています。

恵美:いつも和義と話していますが、出来るだけ謙虚にやっていきたいなと思っています。あとは、無農薬だからと言って、虫が食っているのが当たり前とかは嫌なので、無農薬でも質の高い野菜を提供できるようになりたいと常に心掛けています。

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ーー今後、鈴木ファームさんが目指す営農の姿について教えてください。

和義:農業について、次から次へと興味が出てくるんですけど、その中から自分たちで出来ることを上手く絞って、大規模に人を雇ってやるのではなく、出来るだけ家族で無理せずやっていけたらなとは思っていますね。

恵美:今お借りしている場所とかもそうなのですが、借りるからにはその土地を良い場所にしたいと言うか、土や雑草もそうですが、荒らさないように良い状態で土地を生かしたいと思っています。

和義:あとうちはオリーブがメインなので、オリーブをどうにか安定して・・・

収穫できるようにしたいですね。最終的には、オリーブの専業農家になりたいと思っています。

ーーオリーブを栽培される理由について教えてください。

恵美:オリーブって平和の木という意味合いもあるし、自分達で出来るだけ自給できるような生活がしたいと思っているのですが、油は生活の上で欠かせないものであって、オリーブからは手軽に健康的な油が採れるのではないかと思ったのがきっかけですね。

ーー和義さんは10年程前から林業にも携わられているとお聞きしました。

和義:山の生活を送るようになって、必要な技術を習得したいと思ったのがきっかけです。山登りとか自然が元々好きだったので、何かしら植物に関わりたいという気持ちもありました。

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ーーおふたりにとって農業の魅力や面白さはどのようなところでしょうか?

恵美:美しいなって思う時間が多くて。野菜や花の成長が本当に綺麗なんですよね。

和義:作物の収穫前に植物が一番輝いているときってあると思うんですよ。その一瞬を見るために苦労をして準備をする。要は自己満足なんですよね(笑)

恵美:やっぱり二人とも育てることが好きというか、子育てもそうですし、犬とか植物とか、あまり手をかけ過ぎないで伸び伸び育てたいというのは常に思っていることなのですが。

 あとは、やっぱり美味しいものを食べられる仕事という点ですね。自分たちで育てた野菜を食べだしてからずっと体調が良くて、気持ちも良いです。

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ーー消費者の方に伝えたいこと、知ってほしいことなどはありますか?

恵美:私は畑をしだしてから色々と知ったのですが、例えば、今はキャベツとか大根とかでも交配して雄性不稔とか、種自体が子孫を残せないようになっているんです。現在日本で栽培されている種の殆どは、一代雑種(F1)と呼ばれている種で、その名の通り、一代限りなんです。

 その一代目の個体が、人間が意図したとおりの形姿や性質を備えていれば、それで使命を果たします。その個体から二代目以降が生まれることは想定されていません。常に一代目の個体として消費され続けるのが、F1個体の宿命なのです。一代限りとは、そういう意味です。実際に、F1種の個体から二代目はできにくいといわれます。子孫ができにくいのです。すなわち、一代限りで終わるのです。

 そうした種のことだとか、畑のことについて消費者の方が知らないようなことが・・・

沢山産地にはあるのですが、食べ物を食べていて、そういうことを知っているのと、知らないのとでは全然違うと思うんですよ。決して知識として知っているだけではなくて、知って、食べてみて初めて腑に落ちるものだと思っています。

和義:一般的には全く知られてない種の問題とか、知らないがために子どもに悪影響を与えたり身体的に良くなかったりすることって実は沢山あって。消費者の方々がそうしたことに対して、知識と経験の両方を持って、ご自身でどんどん選択が出来るようになっていけると良いんじゃないかなと思いますね。

ーー私達も様々な産地を伺わせて頂いて、食について消費者が知らない事実がまだまだ本当に沢山あることを知りました。また、生産者さんは皆が同じではなく、本当に様々な方々がいて、それぞれの営農の目的ややり方、技術や理念などが全然違うことに驚き、toriiiというサービスを作った背景があります。

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和義:私達も人との繋がりというのは本当に大事にしていますね。当たり前ですが、自分達の作物を買ってくれるお客さんがいなければ、自分たちは生活がしていけない訳ですが、それでも出来るだけ、鈴木ファームの食べ物を気に入ってくれた人に買ってもらいたいという多いはありますね。たまたま無かったからとかではなくて、うちのものをあえて選んでもらえたら、生産者としてそれ以上に嬉しいことはありません。

 お客さんとは、文面でやり取りしたり会ったりすると関係が深まりますし、農業を始めてからは、食にこだわりのある方達と沢山出会わせて頂き、色々なことを学ばせてもらえるので、この営農スタイルでやってきて良かったと感じています。

恵美:自分達のものを選んでくれたお客さんには、使命感じゃないですけど、美味しいものを届けたいですね。一言、「美味しかったよ」と言って頂けるだけでも、一気にモチベーションが上がりますしね。