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そらの菜園

主要品種の栽培スケジュール

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Farmer Profile

加茂 宇宙
(かも たかみち)

加茂 宇宙

1984年生まれ、佐賀県唐津市出身。大学を卒業後、コンピュータ関連の会社へ営業職として入社。自然と触れ合う家庭菜園がきっかけで徐々に農業に興味を持ち、2013年に前職を退職。研修先で、有機農業の哲学と野菜の美味しさに共感し、2014年に地元唐津市にてそらの菜園を設立。栄養士の奥さんにも支えられながら、無農薬・無化学肥料による農業を実践。2歳の息子さんと奥さんの3人家族。

旬の美味しさと新しい野菜で食の幅を広げる若き生産者さん

 佐賀県唐津市のほぼ中央に位置する鏡山。そらの菜園さんの畑からは太陽の光がいっぱいに降り注ぎ、玄界灘が一望できます。温暖な気候、適度な雨に恵まれた地域でその土地や旬にあった作物にこだわって栽培を行なう加茂さん。どこまでも自然体な加茂さんに、農家を目指された理由や営農へのこだわりについてお話を伺ってきました。

郡野

担当:郡野

ーー農業を始められる前はどんなことをされていたのですか?

 東京に本社があるコンピューター関係の会社で働いていて、新潟と水戸の支社で営業職をそれぞれ2年半やっていました。

ーー会社員時代から家庭菜園をやられていたと伺いました。

 家庭菜園というレベルでもはなく、ベランダでプランターを置いてやっていたくらいだったんです。でも小さい規模ながらに育てる楽しさや自分で収穫した物を食べる喜びを感じていましたね。実家は農家ではないんですが、おじいちゃんが庭で家庭菜園をやっていて、その手伝いで土に触れていた経験があったので、昔からそういったことが好きだったんです。

ーー農業を始めようと思った決定的なきっかけは何だったのでしょうか?

 サラリーマン時代には色々な製品やシステムを営業していましたが、時には競合と比べて魅力が少ない製品やお客様に合わない製品を薦めたりしなければならないことに疑問を感じていて、自分が納得したものを売りたいと思っていました。

 また、趣味でやっていたプランター菜園から農業に興味を持ち、そこから農業について調べるようになって、当時の働き方と比較するようになって。自分の好きなことで、自分が納得したものを作って、買っていただく。農業ならばそれができると考えました。元々40代くらいで地元に戻りたいと考えていたこともあり、地元でもできる農業への思いが段々と強くなっていきましたね。

 農業への思いを強くする中、新農業人フェア(農業の就職説明会)で有機農業をご夫婦でやられている個人の農家さんの講演を聞いて、その方に体験に来てみますかって声を掛けていただいたことが、農業体験、農業研修、独立という流れの直接的なきっかけになりました。

ーー有機農業に興味を持たれたポイントはどういうところだったんですか?

 昔からぼんやりとですが有機農業=環境に良い農業だというのが頭にあって、そういうことをあまり現実として意識せずに生活している人が多くいることにハッとさせられて。農業を始めるなら環境に良いものをやりたいと思っていたこともあって、一度体験してみようと泊まり込みで体験に行くことにしたんです。そこには借家があったので結局1年間住み込みでやらせてもらいました。

 それまで仕事で体を動かしていなかったので、お天道さんの下で汗をかきながら体を動かして気持ちいいな、楽しいなと思って、農業をやりたいという熱が深まっていきましたね。そのときにほとんど初めてくらいに食べた有機野菜が本当に美味しくて、この道で農業をやっていきたいなって思ったんです。

ーー実際に生活として農業を始められてみてどうでしたか?

 もちろんずっと気持ちの良い時期だったわけではなくて、夏の暑い日なんかは灼熱の中で草取りをするのも本当に大変で。でも、苦労を感じた分だけ、気持ちの良い季節は何倍にも農業を気持ちよさを感じることが出来ましたね。

 1年の住み込みが終わって後、もう1年どこかに通いながら農業をやろうと思っていたんですが、その研修先で1年やればあとは作型を合わせていくだけだからっていう話を聞いて、じゃあもう自分でやってみようってことで、まずは1年、自分でゼロからやってみることにしたんです。

ーー農業の魅力や面白さはどんなところに感じますか?

 「つくる」楽しみ、「育てる」楽しみとしては、小さな種から物によっては2mにもなる作物が出来て、その成長過程を目の前で日々見ていると、生きているんだなぁなって命を感じられるんですよね。自分の育てた作物が上手く美味しく出来ると嬉しくて、そういったつくる楽しみが1つありますね。あとはお客さんに届けた野菜たちに対して「美味しかったよ」という言葉を貰えると、農業をやっていて良かったなと思いますね。

ーーお客さんからの声で特に印象に残ってるものはありますか?

 結構同年代のお客さんが多くて、子育て世代が中心なんですが、「そらの菜園の野菜だと子どもが美味しそうに食べてくれます」って言われたときは嬉しかったですね。自分も2歳の子供がいるので、食べてくれた子どもの笑顔を想像して嬉しくなりました。

ーーちなみにそらの菜園さんの名前はどこから付けられたんですか?

 僕の名前が宇宙って書くんですけど、宇宙って「そら」って読んだりもするので。あとは「そら」は天から降り注ぐ雨や太陽といった空の恵み、「の」は野原、大地の恵み、そういったものを大切にしたいという想いでそらの菜園と名付けました。

ーー加茂さんのお名前(加茂宇宙)も結構珍しいと思うのですが。

 加茂という名字はこの辺では結構いて、学年に2、3人くらいいるイメージでしょうか。父親の趣味が天体観測で、宇宙のことが好きだったので、そこから名前も来たんだと思います。ちなみに、弟の名前は大地です(笑)

ーー就農をして一番大変だったのはどんなことでしょうか?

 研修をさせてもらっている間はずっと勉強してる身なので、体はきつくても気持ちが前に前にいっていたのでそんなに大変ではなかったのですが、就農してからは、自分で作付けの計画から販売まですべて行なう必要があり、特に1年目はかなり気を揉みました。就農にあたって手続きとか、機械を購入するためのお金の工面なんかもとても大変でしたね。

ーーゼロからの新規就農になるので苦労された部分がかなりあったのではないでしょうか。

 そうですね。ですので、うちは必要な機械や施設を購入する際もあまり大きなお金はかけずに、畑を始めたときのスローガンにもなるのですが、なるだけ小さな農業を意識してやってきました。

ーー加茂さんがこれから目指したい農業のスタイルはありますか?

 野菜を通して四季の移り変わりを感じてもらいたいという思いがあるので、1年を通して定期購入して頂けるようなお客さんを増やしていきたいですね。お客さんには、ぜひうまみのぎゅっと詰まった旬のものを届けたいです。やっぱり旬のものは味が濃いので。魚でいうと脂がのっているみたいな感じですね。野菜そのままの味を堪能できます。

 あとはスーパーにない野菜や、お客さんが知らない野菜ってたくさんあるんですよね。まだまだ、自分自身も栽培したことがない野菜が・・・

たくさんあるのですが、そういう野菜たちを知らないまま人生を過ごすのは勿体ないなと思っているので、美味しい品種や少しクセのある変わった野菜なども積極的にお客さんへ紹介していくことで、食べる人の食の幅を広げられるような農家になりたいと思っています。

ーー消費者の方に伝えたいこと知ってほしいことってどんなことですか?

 一番は旬の野菜の美味しさですかね。あとは、野菜も品種によって味が変わることや、今まで知らなかった野菜を知ることで、料理のレパートリーが増えたり、お気に入りの野菜が出てきたり、生産者と直接繋がることでそういうことを楽しんでもらえたらなと思っていますね。

 例えばシカクマメなんかはあんまりメジャーな野菜じゃないんですが、宅配に入れたときにお客さんに美味しいって言っていただけたので、そういったことがきっかけからお客さんの食が豊かになると嬉しいです。

ーー加茂さんにとって野菜はどういう存在ですか?

 なんでしょうか、パートナーというか、友達や仲間といった感じですかね。

ーー営農を行なう中で、心掛けていることはありますか?

 まずは「美味しくない野菜は出さないこと」ですかね。あとはその時々の季節で、同じ作物でも味や美味しさが変わってくるので、そのときに合った美味しい食べ方を紹介するようにしています。

 これはうちのルールなんですが、野菜は外から買ってこないで自分たちで作ったものを食べるんです。それで自分のところの野菜の味のチェックをして、お客さんと同じ目線に立つことで、質の高い野菜を提供出来るように心掛けています。

ーー奥さんが栄養士さんということで、そういう意味でお料理のレシピを提案したりとすごくありがたいですね。

 そうですね。定期便のお野菜には、お料理の仕方の紙なども一緒に入れて送らせてもらっていますが、特に珍しいお野菜など食べ方も一緒についていると非常に喜ばれますね。

ーーおやすみの日にされている趣味などはありますか?

 趣味らしい趣味が今はないんですよ。昔はトライアスロンをやっていたんですが・・・。

ーートライアスロンとはまたストイックなスポーツをやられていたのですね。

 僕自身、実は飽き性な方なので、あまり一つのことを継続して出来なくて。トライアスロンならその点、水泳もマラソンも自転車もあって飽きないなと(笑)。そういう意味では、少量多品目で様々な野菜を作ることが出来る今の栽培のスタイルは、自分の性格に合っているなと思うんです。一つのものを突き詰めてやることが得意ではないので、色んな方法を組み合わせてやっていく方が好きなんです。

 あとは、作付けの時期は少し手が空くので、色々な作物の品種を調べたりしています。自分自身もそうなのですが、お客さんにとっても定番の野菜だけでなく、新しい品種が少しだけ入っている方が嬉しいのかなと思うので。もちろん、美味しいと思った品種や、お客さんの反応が良かった品種は毎年作ったりしますし、その他にも新しい品種やこれまで作ったことがない品種を取り入れるようにしています。

ーー土づくりにおいてもこだわられている方法はありますか?

 有機質の堆肥をよく入れて耕すようにはしていますが、土づくりと同じくらい大切なこととして、適期に作れるものを無理なく作っていくことを大事にしていますね。本当に野菜が育ちやすい環境というのは、特別なことをしていなくても自然に野菜も一番良い状態になるものだと思っています。それが美味しい味に繋がってくると思っているので、なるべく露地で作物が成長しやすいときに作る。要は旬のものは旬の時期に作るようにしていますね。

ーーそうすると本当に細かく畑や作物を観察することが大事になってきますね。

 そうですね。収穫のタイミングなんかはまずは自分で食べてみることで、その後の成長のスピードや適切な収穫時期を判断しています。カブなんかはスジが入りやすい野菜なので適期を目で見ることは大切ですね。

 農業は自然と大きく関わる仕事ですので、天気や天候に影響を受けやすいのですが、ウチでは農薬や化学肥料を使用しない分、作付のタイミングを変えたり、常に観察、管理、工夫をして安定的に野菜を生産して、お客さんに供給できるように努力しています。