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タナカレンコン

主要品種の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
レンコン
蓮の葉茶
蓮の茎茶

Farmer Profile

田中良、田中聡

田中良、田中聡

元々は兄弟それぞれがアーティストとして活動。2011年に荒れ地を開拓し、レンコン職人であった祖父が残した備中レンコンの栽培を始める。2015年から本格的にレンコンの販売を開始し、歯ごたえがあり、甘みのあるレンコンとして、一般の消費者だけでなく、飲食店などからも絶大な人気を誇る。”自然に近い形”でのレンコン栽培をポリシーとし、農薬や除草剤、化学肥料などは不使用のこだわりのレンコンを栽培している。

しなやかさと剛胆さを併せ持つレンコン農家さん

 美しい山と川に囲まれた静かな場所で、こだわりのレンコン作りを行なう田中さんご兄弟。アーティストご出身ということもあり、スタイリッシュで繊細な雰囲気が漂うおふたりが、泥の中に入り重い泥をかき分けながらこだわりのレンコンを栽培するその姿を拝見し、農業という仕事の創造性を感じると同時に、その大変さと苦労を実感しました。そんな田中さんご兄弟にお話を伺ってきました。

上村 聖季

担当:上村

ーーレンコン作りを始めたきっかけを聞かせてください。

 きっかけはレンコン農家だった祖父が亡くなったことです。生前から祖父はレンコンの畑が荒れていくことを嘆いていたんですが、亡くなったときにそれを思い出して弟と「レンコンだけでも残そうか」という話になって。山の湧水のような綺麗な水があって、レンコンを安心して育てられる場所がないかなと探して栽培を始めました。

ーー小さい頃からおじいさんの畑に行かれてレンコン作りのお手伝いはされていたのでしょうか?

 そうですね。子どものときに畑に入ったり、実際にレンコンを掘ってみたりしたことはありました。子どもながらに「レンコン作りの作業はなんてキツイんだ」って思っていたのを覚えています(笑)

ーーレンコン栽培を始められる前は役所で働かれたり、アーティストとしての活動をされていたとのことですが。

 はい、役所の仕事と並行しながらアーティストとして作家活動も5年程やっていました。レンコン作りは生業にするつもりで始めたわけではなくて、単純にじいちゃんのレンコンを残したいという気持ちでやっていたんです。

 当時はそのレンコンに価値があることすら知らなくて、レンコンに品種があることも知らないし、レンコン作りも正直ほとんど分かっていなかったですね。

 なので、植えたら出来るだろうくらいの気持ちで始めたので、生業になるレベルではなかったんですよ。畑の作り方も分からないから、草を前年よりも取ったり色々と試行錯誤してみたけど上手く育たなかった。

 何か肥料入れないとだめなのかなという話になって、栽培を始めて4年目で有機肥料の発酵鶏糞入れたんです。少量だったんですが臭いも気になるし、収量もそれほど増えなかった。5年目で販売を開始したのですが、生産の方が安定していなかったので、注文を受けても出荷出来ないということが多々ありました。

 そこで(自分たちの体力的に)無理してというか、踏ん張って、少しずつ生産量を増やしていって、序々にレンコンが育つようになっていきました。現在では、畑も7反ほどに広がり、今後面積も増やしていこうと考えています。

ーーおじいさんから引き継がれた「備中種」という品種について教えてください。

 実はレンコンには種類があります。一般によく知られているのは、スーパーなどで見かける「だるま」という品種です。短くコロコロとしているものですね。

 一方で、タナカレンコンで栽培している備中種のレンコンは、昔からだるまに比べて高値が付きます。その理由は、大きくわけると2つあります。

 ひとつは、味が濃く、食感が良いということで、備中種のレンコンには甘みがあり、シャキシャキとしています。二つ目が、収穫が非常に大変だということです。

 だるまが生育するのは、地下20cmから30cm。備中種は50cmから60cmです。タナカレンコンの畑では、70cm程の所に生育したレンコンも見られます。ですから、収穫はかなりハードです。

 現在は、品種改良されて育てやすく、味も良いレンコンがあるようですが、私達は備中種のレンコンしか育てる気がありません。なぜならば、それが祖父が残してくれたレンコンだからです。

ーーレンコン作りを始められていざ販売をしようとした際、大変だったことはありますか?

 初め大変だったのは、自分達が生活していけるだけの量レンコンを十分に作れなかったことです。お客さんから注文を頂いて収穫をするのですが、掘っても掘ってもレンコンがなくて。いつになったら十分に販売をできて、レンコンだけで食べていけるようになるんだろうって、弟とよく考えていました。

 先が見えずに、これはちょっとだめかもしれないなと思っていたときに、ミネラルの重要性を知って勉強を始めたんです。畑の中のカルシウムの量を増やせばレンコンが大きくなることを知って、その考え方で始めてみたところ作物が育つようになりました。

ーーミネラルの重要性に気付かれたきっかけは何だったのでしょうか?

 レンコンや栽培に関する書籍をたくさん読んでいたのですが、最初は菌、すなわち微生物の勉強から始めて、土壌を豊にしてくれる微生物にとって必要なものはなんだろうと・・・

考えたときに、ミネラルを増やすことだってことに気が付いて。

 今、農業界でも微生物資材など色々な方法が注目されていますが、僕らは畑の動物や植物、微生物の”バランスが取れている”ことが一番大事なんじゃないかと思っています。

 例えば、悪玉菌とよばれる菌たちにもそれぞれ役割りがあって、数が増え過ぎたときに悪さをするだけなんですよね。バランスさえ整えてやれば、善玉菌とのバランスで作物に影響を与えるような悪い作用は起こらないはずなんです(そもそも悪玉菌自体が存在するのかどうかも疑問なのですが)。

 多く農家が、化学肥料や鶏糞などを畑に入れる理由は、窒素・リン酸・カリウムを作物に与えるためです。確かに、窒素・リン酸・カリウムには、光合成や根っこの発育、エネルギーの代謝などに役立ちます。したがって、作物が大きく育ちます。

 しかし、これらは自然界の植物には、あまり含まれません。自然界の植物にはカルシウムやマグネシウム、イオウ、鉄などのミネラルが多く含まれます。これらは光合成や根っこの発育、エネルギーの代謝などに役立ちます。また、イオウなどには虫に強くなる働きもあるため、害虫に負けない強い作物が育つのです。

 ですから、僕達は窒素・リン酸・カリウムをレンコンに与える必要はないと考えています。しかし、ここで問題となるのは、土壌の状態が自然界と異なるということです。土壌の状態を自然界と同じ状態にしなければカルシウムやマグネシウム、イオウ、鉄などのミネラルのバランスが整いません。

 ですから、私達は畑を正常なミネラルバランスにするために草木灰を入れています。この草木灰は、厚生労働省の研究センターなどで、薬や毒物の研究をされていた中山先生という方が、野草や広葉樹、海藻から抽出したミネラルです。

 現在では、この草木灰だけを使ってレンコンを育てています。

ーーおじいさんの頃から化学肥料や除草剤を使われていなかったのでしょうか?

 元々、祖父か若い頃にレンコンをバリバリ゙出荷してるときは化学肥料や除草剤を使っていたみたいです。でも、祖父も栽培をしながら化学肥料は良くないものだということが何となく分かっていったようです。

 農業で生活をしているうちは化学肥料の使用を止められなかったみたいなのですが、老後の生活に入って自由に出来るようになってからは、化学肥料の使用を辞めて、有機の発酵鶏糞を使うようになったようです。

 そうした話をじいちゃんから聞いていたのと、単純に僕たちは自然に近いものが好きだったので、もっと手を入れずに自然に任せてやっていこうという方針で栽培を行なっています。

ーー無農薬でも農業は出来るけれど、生業(経営)としてやっていけるかはまた別の問題だという声はよく聞かれます。

 基本的には、レンコンのありのままの美味しさを保つ状態を作ろうというのが僕たちの考え方なので、レンコンの旨みを最大限引き出すにはどうしたらいいんだろうということを常に考えています。

 実は初めて祖父のレンコン以外を食べてみたときに、こんなに味が違うんだ、じいちゃんのレンコンってこんな美味かったんだって思ったんです。レンコンの品種についても、備中種というレンコンが美味しい品種だということもそれまで知らなかったんです。

 この素材の良い備中種のレンコンの旨さをより引き出すにはどうしたらいいだろうと考えたときに、余計なものは入れちゃだめなんじゃないかって思ったんです。 綺麗な水を使って余分なものがなければ、甘みがあってシャキシャキの歯ごたえのある本来の味が引き出せると思ったんです。

ーー田中さんにとって、レンコン栽培の魅力はどこにあるのでしょうか?

 レンコンの栽培を通じて四季を感じられるところですかね。あとはこだわったらこだわった分だけ、味に出るところ。それを最終的にお客さんから評価していただけるので、それがやりがいに繫がっていますね。

ーー今までお客さんに言われたことで嬉しかったことや、記憶に残っていることは何かありますか?

 「こんなレンコン初めて食べた」、「レンコンの概念が変わった」といった言葉は嬉しかったですね。普通、レンコンは野菜の中で主役にはなりにくいじゃないですか。でもうちのレンコンは主役をはれるものだと思っているんです。

 大分県内のお店でも、レンコンだけを使ったペペロンチーノといったような・・・

使い方をしてもらっていて。それだけうちのレンコンはメインを張れるものだという自負はありますね。

 ありのままの姿が一番美しいと思っているので、うちのキャッチコピーは「美しくおいしいレンコンを」なんです。タナカレンコンの特徴である「渋(しぶ)」と呼ばれる外皮の赤や黒の色合いが自慢です。このレンコンが本来作り出す模様である「渋」が僕たちはきれいだと思っています。それはやっぱりしっかり残して販売していきたいと思っていますね。

ーー渋を残すとはどういうことでしょうか?

 渋の正体はタンニンです。タンニンには、抗酸化作用・殺菌作用があります。一般的なスーパーなどのレンコンに、渋が見られないのは「渋抜き」と呼ばれる作業をしているからです。地下に伸びるレンコンは、地上に伸びた茎で呼吸をしています。渋抜きとは、正に渋を抜くために、収穫の1カ月前から2カ月前に茎を倒して、呼吸を止める作業なのです。

 確かに、渋抜きをすることでレンコンは白くなります。でも、それって本当に新鮮なのかなというのが自分達の疑問で、直前まで、呼吸をしていたレンコンの方が当然美味しいと思っています。

 渋が織り成す外見の美しさと合わせて、こうした理由から私たちは敢えて渋抜きしません!もちろん中は白いですよ。

ーー元々、芸術的なお仕事をされていた感覚が、「しぶ」に対する美意識というところでも生かされているように思います。

 農業も同じものづくりですし、生産者だという点でも同じだと思っています。アーティストのときは絶えず精神的に追い込まれていたところがあったので、ある意味で農業の方が自分達の心は楽かなというところはありますね。

ーー農業もクリエイティブな仕事ということですね。

 どんな仕事であれストイックにやっていかないと、最終的には生き残れないと思うんです。農業でも市場競争は勿論あるんですが、差別化を図りやすいところもあると思うんです。

 僕たちにとって、祖父が残してくれた備中種というレンコンの美味しさというのは特に強みだと思いますね。その美味しさにこだわった結果、高値で取引して頂けるようになりましたし、そこは祖父に本当に感謝していますね。

ーータナカレンコンさんのポリシーや大切にされていることを聞かせてください。

 畑に関しては、妥協しないことですね。いつもの味が出ない年は、無理して出さなくてもいいと思っているんです。味は絶対だと思って作っているんです。レンコンって水が必要な作物なので、何かを入れたらその影響が他の野菜よりもモロに出るんです。ということは、不必要なものは入れちゃいけないと思って作っています。

 あとは自分たちに嘘をつかないことですかね。自信があるものだけを作って出しているので安売りしない。なのでスーパーでは販売しないんです。

ーー基本は、お客さんに対面で説明出来る場所で売る、ということですか。

 そうですね。一番良いと思うのは自分たちがどんな想いで何をしているのか、ということを伝えられる環境ですね。だから今はお客さんと一緒に行なう、お話の会を増やしているんです。そこでレンコンの説明をしているんです。ひたすらレンコンの・・・

話をするんですが、意外とお客さんが来てくださるんですよね(笑)

ーーそういった場なんかで、消費者の方々に伝えるようにしていることはありますか?

 タナカレンコンの方針である「不必要なものを使わないこと」「出来るだけ土で作ること」「綺麗な水を使うこと」「渋抜きをしないこと」の4つは必ず伝えるようにしています。更にもうひとつ分かってもらいたいことは、「簡単に作っているわけではないこと」ですかね。例えば「明日10kg欲しい」といきなり言われても、対応出来なかったりするんです。普通に掘る(吸い上げれば)簡単に収穫できる水耕栽培のレンコンではないので、そういった違いはしっかりアピールしていきたいと思っています。

ーーレンコンのお料理でおすすめの食べ方はありますか?

 うちのレンコンは味が濃くて甘いので、オリーブオイルをささっと焼いて、塩だけで食べてもらうのがおすすめです。天ぷらやきんぴらにしてもらっても、あんまり味を濃くつけなくても味がするので違いが分かってもらえると思います。とりあえず皆さんが最初にその甘さに驚かれるので。

ーー今後、タナカレンコンさんが目指していきたい方向性についてお聞かせください。

 農家として独立というか、自立できる形を作っていきたいです。例えば、企業や店舗さんとのコラボに力を入れたいと思っています。僕たちの考えとして、生産者として出来ること(生産)にこだわって突き詰めていくというものがあるので、今よく聞く6次産業化みたいなことをやるつもりはないですね。

 あとは、今までは、農家とアーティスト業を分けて考えてたんですが、やっていくうちに一緒にやっていっても良いんじゃないかという考えに行きついてきたんですよ。 僕たち、すごくお世話になったカフェの内装もお手伝いしたりしているんですよね。

ーーだからこんなに事務所がオシャレなんですね(笑)

 元々はアーティスト業の中で受けていた仕事ではあるんですが、今はタナカレンコンとして受けたらいいやと思ってやっていますね。農家がやる内装デザインというのも面白いなと。もっと自由な発想でいいんじゃないか、ちゃんと責任を持ってやるならば出来ることは色々やってみたいですね。

ーー最後に田中さんにとって、レンコンはどんな存在なんでしょうか?

 じ゙いちゃんの形見ですね。実はじいちゃん孝行が出来ないまま亡くなってしまったんですけどね。お酒が好きだけど硬い、面倒見の良いじいちゃんでした。

 私たちの収穫時期は10月半ばから、3月上旬までです。10月になるとレンコンの葉が落ち、茎だけが立っています。地下で生きているレンコンはこの茎を通じて、呼吸をしています。ですから、私たちはこの茎を収穫ギリギリまで倒しません。

 収穫は主に4つの道具を使って行います。
まず、バケツ。10月頭には、畑の水を完全に抜きますが、雨が降ると水が溜まってしまいます。タナカレンコンのレンコンは地下深くの粘土質の部分で生育します。そのため、水があると掘りにくいのです。ですから、バケツで搔き出します。

 昨年より、ポンプを導入したので少し楽になりました。
次にレンコンを計るはかり。そして、祖父から受け継いだガンヅメとヌキ。これを使って、レンコンを掘ります。

 ガンヅメを使って、浅く広く掘ります。

 浅いところには小さいレンコンがあります。

 さらに掘り進めると、大きいレンコンが出てきます。
写真のように節から子レンコンが出てきます。そして、子レンコンの節からも孫レンコンが、親から子へ、子から孫へと受け継がれていきます。