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原田アップル

主要品種の出荷スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
つがる
トキ
王林
シナノゴールド
ふじ
青林

Farmer Profile

原田 正
(はらだ ただし)

原田 正

青森県津軽郡出身。農業学校を卒業後、東京で働くも父親の体調不良を機に青森へ帰郷。実家のりんご農園を引き継ぎ、以来30年以上、高品質のりんご栽培を行なうベテラン農家。10年前から栽培する”葉とらず”りんごは、一度食べると病みつきになると評判に。耳の不自由な奥さんと共に地域の障害を持つ人たちの雇用創出にも積極的に力をいれている。

チャレンジを止めないベテランりんご職人

 りんごの産地として有名な青森県津軽地域で、りんごの味にこだわる”葉とらず”りんごを栽培する原田さん。「チャンスがあればまずはやってみる」という言葉の通り、より美味しいりんご作りに賭ける強い想いがお話から伝わってきました。りんご栽培を若者がつきたくなるような仕事にしたいと熱く語る原田さんにお話を伺ってきました。

上村 聖季

担当:上村

ーー津軽と言えば有名なりんごの産地というイメージです。

 そうですね。津軽りんごは青森県を代表するりんごの産地で、栽培面積は22,500ha、東京ドームに換算すると約5,000個分の面積で、年間約50万トンのりんごが生産されています。中でも、ここ岩木山の麓、弘前市を中心とするエリアに全体の80%が集中していて、その集積の割合はアジアでも一番となっています。

ーーまさにりんごの聖地といった場所なんですね。りんごの栽培地域としてどのようなところが適しているのでしょうか。

 りんごの味を決めるのは、9〜10月頃の秋で、この時期の「寒暖の差」が大きければ大きいほど、味の良いりんごが出来きます。ここ岩木山付近では・・・

西にそびえる岩木山からの冷たい風と太平洋から陸奥湾を経由して流れ込む風を上手く活かしているのがこの地域です。

 また、この地域は、岩木山の麓を馬蹄の形のように広がる、通称「馬蹄ベルト地帯」と呼ばれる地域で、水はけの非常に良い火山灰土の畑が中心になっていて、弘前の津軽りんごの中心栽培地となっています。

ーー原田さんのつくられている”葉とらずりんご”について教えてください。

 “葉とらずりんご”は、実の周りに葉がしっかりと残っているりんごのことで、通常は、りんごに太陽の光を当てて着色する際に、葉っぱが付いているとその部分に光が当たらず、色がつかないため、りんごの葉を全て人の手で一つひとつ摘んでいるんですね。

 ただ、この葉が、太陽の光を浴びて、りんごの実を美味しくしてくれる糖の元になるデンプンを作って、りんごの実に糖を送ってくれているんです。よく言われるのは、「葉摘み」をしたりんごと「葉とらず」りんごで、糖度が約1度違うと言われています。

ーー味を優先させるか、見た目を優先させるかによって栽培方法も実は変わってくるということなんですね。

 そうですね。そして、”葉とらず”は言い換えると、”葉づくり”でもあって、どんなりんごの木でも葉をとらなければ美味しくなるということではなく、冬の剪定から始まって、しっかりとした”葉づくり”が出来ているりんごの木だから美味しくなります。

 “葉とらずりんご”は”葉づくり”がしっかりとできる技術と時期、タイミング、場所が重要となる栽培方法になります。

ーー現在圃場の方で、世界的に有名な農業管理規格であるGLOBAL G.A.P.認証を取得されていると伺いました。GLOBAL.G.A.P.について教えて頂けますか?

 「安全な農作物」というと、有機だ、減農薬だと、農薬のことばかりになりがちですが、農薬以外にも農作物の安全を阻害する要因は農作物の栽培工程の中に実はたくさんあるんですよ。そのことを、作業をする農家自身が理解して、危険要因をひとつひとつ減らす「生産管理工程」を世界基準で定めたものが、GLOBAL G.A.P.という認証制度で、簡単にいうと、農作物の安全性の確保と、品質管理、安定供給を実現するために農場をしっかりと管理していきましょうという仕組みのことです。

ーー認証の取得にあたって色々と大変なことも多かったと思うのですが、一番苦労されたのはどのような部分でしょうか?

 認証を取得するためには、事前に管理が定められている項目が何百とあって、例えば、圃場の管理にしても、作業記録として、毎日の天候や作業者の名前、労働時間、当日の健康状態、作業内容など、非常に細かい内容を全てチェックをして記録していく必要があるのですが、こうした管理の枠組みをつくる作業は本当に大変でした。

ーーそれでも認証を取得されようと思った理由は何でしょうか?

 理由は大きく二つあって、一つは、ウチのりんごを食べてくれる消費者の方のためで、GLOBAL GAP認証の取得によって、生産工程での安全を確保し、食べる側の安心へ繋げたいと思ったからです。GLOBAL.G.A.P.認証の他にも日本版G.A.P.認証であるJGAP認証も取得していて、誰が、いつ、どんな風にりんごを栽培しているのか、という情報をパソコンでも携帯電話からでも手軽に確認できる仕組みを整えています。

 二つ目の理由は、次の世代を担う若い生産者のためで、認証の取得を通して、家族経営で不透明な部分が多い農業を少しでも若い方がとっかかり易い営農スタイルを今の内から準備してあげたいという想があります。

 今青森のりんご業界も生産者の高齢化が進んでいて、このままいくとたくさんのリンゴ農園がダメになってしまう可能性が高いような状況です。自分達のようなベテランの農家が、特に都市部を中心としたやる気のある若い人たちにとっても魅力のある仕事と思えるような取組みをしていく必要があると考えています。

ーー原田さんがりんごの栽培を始められたのはいつ頃からでしょうか?

 私が35歳のときに生まれ故郷だった青森に帰ってきました。それまでは千葉県の柏市というところに住んでいたのですが、親の体調が悪くなり、家のりんご畑を継ぐためにこちらへ戻ってきました。

ーーご兄弟はいらっしゃるのですか?

 私を入れて6人兄弟です。

ーー昔から兄弟のだれが畑を継ぐというような話はあったのですか?

 初めは私が継ぐつもりで、地元の農業高校にも入ったんですけど、やはり一度は東京の方へ出て、色々な仕事がしてみたいということで、卒業後は関東の方で働いていました。ただ、他の兄弟の中でも農業をやるという人間がいなくて、親がずっと畑をやっていたんですよ。

 そんな中で、父親が体調を崩したこともあり、兄弟の中でも誰かが畑を継なければならない状況になったんですよ。それで決心して、当時家族と一緒に青森へに移ってきました。当時、小学校3年生と5歳の子どもがいて、私の妻は聾唖者で、農業というものにもそれまで一切関わったこともなかったので、こちらへ移ってきた頃は彼女にとても苦労をかけたように思っいます。

ーー青森に移られるときに、奥さんやお子さんたちは反対はされなかったのでしょうか?

 反対されましたね(笑)とくに妻は行きたくないって、強く反対していました。

ーーそんなご家族をどのように説得されてのでしょうか?

 説得というようなことはなかったですね。家を継ぐと決めたからには、他に選択肢がないような状況だったので・・・。結婚するときに、妻が耳に障害があったこともあって、親からもかなり反対されたんですよ。

 以来、殆ど青森には帰っていなかったんですけど、それでも自分の父親が先に亡くなってしまって、自分の中で色々な葛藤はあったけども、長年続けてきた家のりんご畑を無くしたくないという想いが強くてこっちに戻ることを決意しました。

 それでも耳の不自由な妻と一緒にここまでやってこれたのは、お互いが信頼してがんばってきたからだと思っています。

ーー原田さんのところでは、地域の障害を持たれた方々も積極的に雇用されていると伺いました。

 もちろん、私の妻が耳が不自由だったということも関係しているんですが、やる気があって誠実だけど、体が不自由というだけで中々仕事につけない人たちも地域にたくさんいて。そうした人たちが安心して働けるような場を提供したいという想いから、積極的に働いてもらうようにしています。

ーーこれまでりんごの栽培を初められて一番大変だったのはいつ頃だったでしょうか?

 一番大変だったのが、わい化(収量の大きな小さなサイズのりんごの木を栽培すること)の改植が上手くいかなくて、畑からの収入が途絶えたときがあったんですよ。ちょうどその頃子どもたちが二人とも大学へ進んだときだったので、この時は経済的に本当に大変だった記憶がありますね。

 その時は、出稼ぎみたいな形でまた東京へ働きに行って、資格を取って機械に乗ったり、とにかく出来ることは何でもして・・・

必死に働いて何とか乗り切ったんですよ。まぁ、おかげでこの歳になっても体力的にも全然衰えないし、何よりもせっかく生きてるんだから、チャンスがあればりんごもただ生産するだけじゃなくて、色々なことにチャレンジしてみたいっていう気持ちを強く持っていますね。

ーー原田さんにとってりんごとは一体どのような存在でしょうか?

 私の生きる基本ですね。元気なうちはこれを離れて生きる訳にはいかないなと。もちろん、色々と苦労はするんですけど、気持ちは疲れたとは思わないし、やっていてすごく楽しいんですよ。この気持ちを若い人に伝えていければなぁって思いますね。

ーー原田さんにとって農業の中で一番嬉しい瞬間はどのようなときでしょうか?

 やっぱりなんと言ってもお客さんに喜んでもらえたときですね。いくら自分達が美味しくて良いりんごだって言っても、お客さんに受入れてもらえなければ、栽培の仕方を間違えているのかもしれないし。やっぱりそれが一番ですね。

ーー過去に記憶に残っているお客さんの反応などはありますか?

 一番嬉しかったのは、友人がりんごを販売してほしいということで、りんごを送ってあげて、すごく美味しいからって友人が知り合いに紹介してくれて、その方からまたすごく美味しいりんごでしたって、さらにその方の知人の方へと広がっていったときは、生産者としてすごく嬉しかったですね。

ーー原田さんの作ったりんごで、お客さんの笑顔がどんどん増えていく素晴らしい広がりですね。

 お客さんに喜んでもらうことの次に農業をやっていて嬉しいのは、冬から剪定をして、春から草を全て刈って、色々な苦労を重ねて収穫の時期を迎えたときは、それまでの頑張りが報われたような瞬間で、すごく充実感がありますね。

ーー農業はその時々で天候など自然環境も異なるので、そういう意味では答えのないというか、そんな難しい仕事だと思うのですが。

 それはありますね。農業って毎年同じように作っているように見えて、やっぱりその年々で全然違うので。私も長いことりんごの栽培をやってきましたが、毎年勉強しているという気持ちでやっています。なので、まだまだ、自分達のつくっているりんごに完璧に納得している訳ではないですね。自分で満足してしまったら、それ以上のりんごづくりも絶対にできないので。

ーー常に高いレベルでのりんご作りを目指されているのですね。

ーー原田さんが”葉とらず”りんごに切り替えられたのはいつ頃からでしょうか。

 10年くらい前からですね。

ーー”葉取らず”の栽培に変えられようと思ったのはなぜですか?

 葉を残しておくと、りんごの色味は少し悪くなってしまうんですけど、りんごの甘みや酸味という味の部分で質の高いりんごができるんですよ。もちろん、見た目が重要っていう消費者の方もいらっしゃるかもしれないんですが・・・

収穫する直前まで、葉っぱからしっかりと栄養が送られる”葉とらず”りんごの方が、フレッシュさという意味でも良いんですよ。

 今はこの”葉取らず”りんごを一般の方に実際に食べてもらって、その美味しさを知ってもらいながら徐々に広げていっているような状況なんですが、最初はやっぱり色が悪いって言われて敬遠されたりもしましたね。

 なので葉をとらない意味をしっかりと説明して、味の良さを知ってもらうために、とにかく一度食べてもらうことに力を入れてきました。すると、翌年から殆どの人は色にこだわらなくなるんですよ。そういうことがあるので、自分も本当に自信を持って薦めることができています。

ーー見た目は重要じゃないということではないですが、やっぱり食べ物なので味が美味しいに勝るものはないですからね。

ーー肥料はどのようなものを与えているのでしょうか?

 静岡県にある馴染みの肥料屋さんから、魚貝を使った有機肥料を仕入れて使っていますね。

ーー剪定について教えてください?

 一口にりんごといっても、品種によって梢の伸びる方向などは様々なので、それぞれの品種に合った剪定が必要となってきます。例えば、ふじは新しい梢を下へ下へと、王林は上へ上へと伸ばそうとします。

 毎年1月から始まる冬のりんごの木の剪定作業。これが、実はりんご農家にとって大きな技術の差が出る作業で、長年磨きをかけて、技術を蓄積し、翌年も木の中まで太陽の光が降り注ぎ、美味しいリンゴの実がなるように剪定を行なっています。

ーーりんごの栽培の中で、特に大変な作業は何でしょうか?

 葉をとる作業、すなわち着色作業が一番生産者にとっては負担が大きいですね。”葉取らず”りんごといっても完全に葉を放置するわけではなくて、取引先に合わせてある程度見栄えを良くするために葉をとったりするのですが、一つひとつ手作業で葉を取って、太陽の光がまんべんなくりんごに当たるように一つずつ丁寧にリンゴを回す作業は人手もたくさんかかります。特に、木の上の方に生っているりんごについては、脚立に上ってかなり高い位置での作業となり、高齢の生産者にとっては非常に負担の大きな作業となります。

ーーそうした産地での地道な作業が、赤くて甘い青森のりんごを支えているのですね・・・

 特に秋の収穫時期は、睡眠時間も毎日5時間くらいの日が続きますし、完全な休みの日はないんですよね。それでも楽しいので空いた時間が少しでもあると作業をしてしまうんですが(笑)

ーー消費者の方へ伝えたいことはありますか?

 出来る限り自然の状態を重視した、ムダな手をかけない”葉取らず”リンゴをぜひ一度食べてもらって、その美味しさを知ってもらいたいというのが一番ですね。

ーー私も葉取らずりんごを頂きましたが、一般のりんごと比べても甘さの違いが分かりました。原田さんお勧めの品種について教えて頂けますか?

 この数年、青林(せいりん)という品種をつくっているのですが、これがまだ地元にしか出回ってない稀少品なんですよ。しっかりとした甘さがありながら、日持ちもするのでとてもお勧めの品種ですね。

ーー生食以外で、りんご農家さんがよく食べるりんごの食べ方などはありますか?

 生産者の中には、りんごを煮て食べる人も多いですね。味付けはそのままでも十分美味しいんですけど、好みに合わせて砂糖などを少しいれたりしても美味しいですね。

ーー原田さんが営農をされる上で大切にされていることは何でしょうか?

 大事にしているのは信頼関係ですね。これは私たち生産者と消費者さん、仲介業者さんとの関係すべてに言えることで、隠し事は一切しないで、どうすれば安全で美味しいりんごを消費者の元へ届けることができるのか、これが一番大切なことだと思っています。その部分さえぶれなければ、自分達はどれだけ苦労しようが気にはならないですね。

 あとはさっきも話したかもしれないんですけど、何でもチャレンジしてみるということですね。田舎の農家だと、新しいことに殆どチャレンジしないんですけど、私自身は、色々な機会がある場合には、あまりリスクを考え過ぎずに、まずはやってみることが大切だと思っています。

ーー新しいものに果敢にチャレンジするという考え方は、特に原田さんと同じ年代の農家さんの中では非常に珍しいのではないでしょうか?

 そうですね。なので周りの生産者さんでも中々話しが通じないことは多々あります(笑)そもそも最初から上手くいくことなんて正直ほんの一握りなので。農業にしても、新しい取組みをお客さんが受入れてくれてからこそ、初めて上手くいくものであって、それにはある程度の時間はかかるものだって考えれば、新しいことへのチャレンジもそれほど難しいものではなくなるのではないかなと思います。

ーー原田さんが今後目指される営農について教えてください。

 やっぱり若い人が入ってきてくれて、自分のりんご園も含めて、地域の生産を引っ張っていってくれるようなそんな人材を育成していきたいですね。そうじゃないと、畑だけでなく、自分も含めたこの地域の生産者が長い年月をかけて培って来た栽培技術も失われてしまうのので、若い方にとって魅力的な環境を整えておくことが今の自分の使命だと思っています。

 個人的には、特に都市部の若い人たちに、地方には、そして農業の分野には今たくさんのチャンスがあるということを知ってもらいたいなと思いますね。4、5年前くらいに、テレビ番組で東京の若者が、仕事がないとか、非正社員として低賃金で働いているとかっていう報道を見ていたのですが、この人たちは多分東京という場所しか頭の中になくて、ここ青森のような場所にチャンスがあるということを知らずにこのまま歳をとっていくんじゃないかと思うとすごくもったいないなぁという想いがしたんですよ。

 例えば、この地域でもリンゴ作りの後継者がいない生産者もたくさんいて、実際かれらは東京の仕事よりも遥かに所得が高かったりするんですよ。若い人がきて、やる気さえあればしっかりとした収入を得られる方法が今そこら中にあったりするんですよ。そのことをぜひ若い人たちに知ってもらいたいなと思っています。