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まる岩ぶどう園

主要品種の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
デラウェア
種無し巨峰
藤稔
紅伊豆
マニキュアフィンガー
ロザリオビアンコ
甲斐路
甲州
白鳳
白桃
あかつき
川中島白桃

Farmer Profile

岩下 和也
(いわした かずや)

岩下 和也

山梨県笛吹市で約40年続く岩下ぶどう園の二代目農園主。安心で美味しいぶどうづくりを目指して、出来る限り農薬の使用回数を抑え、有機肥料を中心とした化学肥料に頼らない農法を長年実践。農協の影響力が強かった時代から、自農園での直接販売を行なうなどこだわりを貫き通している。現在では、父と息子二人の3世代で家族仲良くこだわりのぶどう・桃づくりを行なっている。

親子三世代の絆が生み出すこだわりのぶどう作り

 日本一のぶどうの産地、山梨県笛吹市で家族三代でこだわりのぶどう作りを行なう岩下さん。一家の頼れる大黒柱であると同時に、とても気さくな生産者さんで、家族仲良く、和気あいあいとした雰囲気でぶどうや桃づくりに励まれています。「お客様に笑顔と安全を」をモットーに、日々ぶどうと向き合っている岩下さんに、まる岩ぶどう園のこだわりについてお話を伺ってきました。

奥田

担当:奥田

ーー現在ご家族全員で農業をやられているのでしょうか?

三代目:私が三代目で、祖父母、親、自分の奥さんに2つ下の弟の三世代でやっています。一番初めは、祖父と父が今から約40年前に農業を始めたのがきっかけですね。

二代目:農園を始めた当初は今程ぶどうの種類も多くなかったですし、量もそんなになかったので、僕らが小さいときは果樹と一緒に桑やお米も作っていました。それを徐々に果樹に切り替えていって、今ではうちの畑の約90%の面積でぶどうと桃を・・・

残りの面積で少しですが、柿やすももなども栽培しています。

ーー畑の面積は全部でどれくらいの広さでやられているのでしょうか?

二代目:畑の面積全部で一町五反。その内、8反がぶどうで、7反が桃、その中にすこし柿とすももがあります。

ーー岩下さん(三代目)は元々ご実家のぶどう園を継がれるつもりだったのでしょうか?

三代目:そうですね。うちの親父もそうんなんですけど、実はどちらも理系で。今の仕事とは直接関係ないのですが。四年制の大学で父親は化学を、私は工学を専攻していたのですが、僕は卒業後はすぐに家の果樹園を継いだかたちです。

ーー今果樹園で遊んでいる岩下さん(三代目)の娘さんも入れると、四世代が一緒にぶどうや桃づくりをされているということですね。中々すごいことですね。ずっとご家族でやられているのですか?

二代目:もちろん時期的に忙しいときにはパートさんを雇ったり、お店を開けるときには1、2名程、販売を手伝ってくれる人を雇ったりはしていますが、基本的には家族だけでやっています。

ーーまる岩ぶどう農園さんは、市場出荷ではなく、ご自身での販売にこだわられているとお伺いしました。

二代目:ウチはJAさんの影響力が強かった昔から、今のようなかたちで消費者の方と直接やり取りしています。ぶどうをどこよりもこだわっても作っているつもりですし、常連のお客さんにはウチのぶどうの味をしっかりと分かってもらえているので。

ーー市場出荷は結局いろいろな生産者さんの作物が混ざってしまうので、こだわってつくっている生産者さんにとっては出荷先としては選びづらいところはありますよね。

二代目:ただ、昔からの常連さんには来て頂くのですが、最近は、お客さんの世代も変わっていっているので、どうしても昔からの常連さん世代とそのお子さんの世代の縦のつながりが途切れやすくなっている実状もあります。お父様が毎年来てくれても、その息子さん、娘さんたちが来ることが無くなってしまったりというような感じで。

 なので、今は販売方法に関してもいろいろと新しい試みもしていて、出来るだけたくさんの方に自分達のこだわりのぶどうや桃をお届けできればと思っています。

ーー生産をしながら販売もとなるとかなり大変だと思うのですが。

三代目:私個人的には小売の販売は好きですね。どっちかというと、農家(生産)だけやってたらここまで続いたのか分からないです。もちろん、一般的な市場出荷の農家さんたちに比べると販売も自分達で行なう分、大変は大変です。

 市場出荷の場合には、出荷休みなどもあるので、その分時間があったりするのですが、うちの場合は、11月の中旬くらいまでずっとお店を開けているので。そうすると休める暇はホントにないですね。

 特にこの時期(5月頃)から11月初めくらいまではずっと働き詰めで、普通の農家さんの場合だと朝が早い分、夜は早めに寝るのですが、うちの場合は、お店や事務作業などで、帰宅するのが夜の9時頃。そこからご飯を食べたりすると、寝る時間は12時を回ったりします。

 それでもお店を構えて対面販売をする理由は、第一にやっぱりお客さんと話すのが楽しいからですね。自分達のこだわりの作物を召し上がって頂くお客さんの顔が見れるので。信頼がベースになる食の流通において、片方が片方を知っているだけでなく、お互いがお互いの顔を知っているというのは、すごく意味のあることだと思っています。

ーートリーでも岩下さんと全く同じ考えから、お客さんが生産者さんを知るだけでなく、生産者さんもお客さんのことを知れるような仕組みになっています。

ーーぶどうの場合、一番大変な時期はいつ頃でしょうか?

三代目:やっぱりぶどう園が始まるまでのこの仕込みの時期(5月から7月初め頃)ですね。例年、7月10日から15日くらいがぶどう狩りの開園時期になるんですけど、それまでに全ての作業を終わらせないといけないので。ぶどう栽培にとっては収穫前の時期かなり重要なポイントなんですよ。

ーー収穫時期よりも収穫前の時期が大変というのはなぜなのでしょうか?

三代目:どんどん果実が大きく成長してくるので、果樹の大きさにつれて・・・

やるべき作業もどんどん変わってくるんですよ。ピンポイントのその時期にしかできないようなことで、この大きさだったらこれをして、この大きさになったらこれをするみたいなことが全部決まっていて。

三代目:収穫に近づくにつれて日々変わっていくので、それが遅れてくると、ぶどう自体がダメになってしまいます。ですので、どんどん作業に追われていくというか、次から次へ作業が入ってくる感覚ですね。

ーー雨などの天候もやはりぶどうや桃の栽培に影響を与えるのでしょうか?

三代目:ありますね。降るべき時期に雨が降らなかったり、降らなくていい時期に多く降ったりすると、ぶどうや桃への影響はかなりありますね。例えば、梅雨の時期に雨が少ないと実が小さくなったり、逆に夏場でゲリラ豪雨のようなものが多いと、ぶどうが水分を吸い過ぎて割れてしまうんですよ。その割れ目から腐っていって商品にならないということが起きます。

ーーそんなときには、生産者さんとしてどういう気持ちになるのでしょうか?

三代目:もうしょうがないなって感じですね(笑)それが嫌だったらサイドレスのハウスにしたり、何かしらの資金をつぎ込んでやるしかないですね。ただ、そいういうことをしても、やはり自然の中で栽培をする限り、全てのリスク(外的影響)を排除することはできないですけどね。

三代目:天候等の自然環境に加えて、病気やカビも発生したりします。そういう場合は、ぶどう園入った瞬間にワインのような匂いしてくるので、ぶどうを見なくても分かります。これは実が割れているな、みたいなことが袋を被っていても、匂いで分かるんですよね。

ーー果樹栽培で苦労されること、大変なことはありますか?

三代目:果樹に限ったことではないんですが、やっぱり自然を相手の仕事なので、台風だとか、日照不足、雨不足や逆に雨の多い年など、年々の自然環境が影響してくるので、今年はこれだけあるので、収穫もこれくらいあるだろうという確かな見込みを中々つけづらいのが大変ではあります。

三代目:長年の経験や知識で、どのような環境下でも最低限の量の栽培はできる自負はあるのですが、例えば、年によってはある品種が前年の50%しかできなかったりということはありますね。去年は巨峰の着色不良で例年の60%くらいだったかな、すごく少なかったですね。

ーーぶどうの栽培にあたり、気をつけていることはありますか?

二代目:ぶどうの場合は、この時期(5月)の雨が一番怖いので、カビ系統の病気にはすごく気を遣っていますね。実はぶどうの栽培でポイントとなってくるのが今の時期なんですよ。実がなって大きくなってくる時期というのは、大きな天候の変化で生育状態が左右されたりするくらいなのですが、雨も多く湿度の高いこの時期が最も慎重な時期なんですよ。

ーー有機肥料を使われ出したのはいつ頃からでしょうか?

二代目:もう、かなり前からですね。化学肥料が一般的に使われ出す前は、実は有機物が農業資材の中心だったんですよ。うちでは昔豚を飼っていたんですけど、果樹をやるようになってからは、豚の糞を乾燥させて堆肥や肥料とした使っていました。

 今は牛糞が中心となっていて、大体一反あたり2トンくらいの牛糞を堆肥や肥料として使用しています。2トンって言ったら・・・

それほど多い量じゃないんですけどね。祖父の代からの長年の経験で、有機肥料であっても畑の土にとって最適な量やタイミングについては、ほぼほぼ理解をしているので、有機資材を利用する際に起こりやすい窒素過多や土壌への流出を生じさせていないという自信はあります。

 その他の肥料としては、有機原料の配合肥料で有機率80%とか85%とかっていうのを併用したり、カルシウムとしては、去年は卵の殻を使っていたのですが、それまでは牡蠣殻で補ったりだとか、あとは米ぬかを使ったりと、まぁ、いろんなことを試しながらやっていますね。

 作物はよく三大栄養素の窒素、リン酸、カリウムの3つの栄養素のバランスが最も大切だと言われるのですが、人間に炭水化物や糖質、脂質以外にもビタミンなどの栄養素が必要なように、作物にも亜鉛やマンガン、マグネシウムなどの微量元素と呼ばれる、ごく少量なんですが、絶対に必要みたいな栄養素があるんですね。これを一般的には”微量元素”といいます。

 化学肥料の場合は、決められた栄養素しか入っていないことがほとんどなのですが、有機肥料はこうした微量元素を含んでいるため、バランスの良い栽培を行なうことが出来ます。

ーー有機資材は上手く使えば環境にも作物にも良い反面、使い方を誤ると逆に環境にも作物にも悪影響を及ぼす難しい資材と言えますが、岩下さんの場合は、おじいさんの代からそうした有機資材活用の知識と経験が蓄積されているということですね。

二代目:そうですね。そういう意味では環境面でも作物の栽培面でもしっかりとバランスはとれているという風には思っていますね。今のノウハウは代々うちの父親達の試行錯誤が根本にあるので、その点は感謝もしていますし、これから自分が今以上に向上させていきたいという想いもあります。

ーー岩下ぶどう農園さんのぶどうの特徴について教えて頂けますか?

二代目:長年受け継いできた土作りを基本とした栽培をやっているので、ぶどうやその他の果物の糖度はしっかりとあります。実際、化学肥料を使って、農協や市場に出荷している他の生産者さんたちと比べても、糖度は同じ、またはそれ以上に高くなっています。

 例えば、昨年で言うとシャインマスカットについては・・・

農協の糖度規制がこの辺は18度で規制されていて、18度に満たない場合にはJAに出荷できなくて、個選という市場でワンランク下の評価になっちゃうんですよ。

 一方で、うちのシャインマスカットは糖度が18度以下になったものがなくて、ほとんどが20度以上のものでした。うちのお客さんに食べてもらうと「やっぱりまるいわさんのぶどうだなぁ」って言って頂けるので。

ーー野菜などは採れたてのものがやっぱり一番美味しいと思うのですが、ぶどうの場合にも採れたての方が美味しいといったことはあるのでしょうか?

三代目:ぶどうに関して言うと、採れたてが一番うまいってことはあまりないかもしれないですね。プロからすると、採れたてよりも1日、2日と置いて追熟させた方が酸が抜けるので、その方が甘いのは甘いです。

二代目:ただ、採れたてはやっぱり実がパリパリっとしっかりとしているので、歯ごたえを第一に楽しむのか、味(甘さ)を楽しむのかなどにもよるかもしれないですね。もちろん、採れたてのものでも味や香りもしっかりしているのですが。

二代目:今はトマトやキャベツ、人参などの野菜もそうですけど、作物そのものの本来の味というのが段々と無くなってきているように感じています。一般的にスーパーなどに出回っている野菜が、品種改良や化学肥料のみで栽培されていることが大きな原因だと思います。

ーー確かに有機農家さんのところで食べさせて頂く人参などは、香りも味も一般のものと全然違うように思いました。

二代目:うちでもある程度野菜を自給自足するんですけども、やっぱりうちで作ったものの方がスーパーなどで売っているものよりも美味いなって思います。果実についても、ぶどう以外にもうちで食べる桃を食べたら、他のところのものは食べられなくなるという自信がありますね。

ーー消費者の方に伝えたいことはありますか?

三代目:やっぱり農作物は自然の産物なので、年々によって細かい部分で、作物の出来がどうしても変わってしまいます。例えば、一概に桃と言っても桃の中にも白桃や白鳳、川中島や黄桃など品種も様々で、昨年は白鳳が良かったけど、今年は白桃が良かったっというような、年々の環境によってバラツキがどうしてもあります。

 もちろん、天候等の環境の変化の中でも・・・

しっかりと安定した美味しい果実をつくるのが自分達生産者の腕の見せ所でもあり、長年安定した果実をつくっている自負はあります。

 でもやっぱり、雨が少ない年には実が例年よりも少し小さくなってしまったり、曇天が多い年には、日光不足で甘みが少し抑えられたりすることはあります。その部分については、やはり自然を相手にしているので、ある程度仕方のないことだということをお客さんにもちょっとご理解頂いて、その中で、うちで出せる一番良いもの(普通に売られているものよりも質の高いもの)を買って召し上がって頂きたいなと思っています。

ーー最近では野菜工場のように工業製品のように自然環境に左右されない野菜なども出てきましたね。

三代目:野菜工場を否定するつもりは全くないのですが、中身は別として、野菜であれば露地と同じような形のもの出来ると思うのですが、ぶどうや桃などの果実でやるとなると多分無理だと思います。

 まず作業量が野菜と果実では全然違います。そして収穫の回数も年間通して一回しか取れないですし、木なので植えてもすぐには実ができません。最低でも3〜5年とか経って、ようやく安定して果実が採れるようになります。ただ、質の高い果実を付ける一人前の木になるためには8年とか10年くらい経たないと難しいんですよ。

ーーそう考えると、植物工場で桃やぶどうなどの果実は、まだまだハードルが高そうですね。

三代目:そうですね。野菜だったら種を撒いて、早い作物であれば1ヶ月後とかに収穫できますけど、果実はそういう訳にはいかないので。結果が何年か後にでて来るものなので、やっぱり長い年月の積み重ねが大切になってきます。

 基本的には、毎年同じ作業を繰り返す訳ですが、有機肥料や堆肥を撒く土作りもそうですし、木に一番負荷をかけずに最も良い形で実をつけさせるための剪定など、やっぱりそういうことはどこかで一度途切れさせてしまうと、そこで全てが大きく変わてしまいますからね。

ーー岩下さんにとっての農業の魅力、果樹栽培の面白さについて教えてください。

三代目:基本的には自然が相手なので、思い通りにならないことの方が多かったりするのですが、でも少しずつ、自分の理想に近づいていきます。自分達でコントロールできない部分も多いので簡単な仕事ではないのですが、難しく苦労した分、しっかりと実がなったときの嬉しさは一入ですね。

 例えば、果実栽培でものすごく重要な剪定は一年に一回だけしかできず・・・

その剪定でその年の出来が決まってしまうといっても過言ではありません。僕自身、最初のうちは(剪定が)嫌な仕事だったんですが、ここ何年かは、剪定の結果が目に見えてくるようになってすごく面白くなってきました。

 こういう風に木を活かせばこうなるんだなみたいな。じゃぁ、この部分をこうすればもっと良くなるんじゃないかみたいなことを色々な人から教わって、次の年で結果がしっかりと出て。手を掛ければ掛けた分返ってきますし、そういう意味では果樹栽培はすごく面白いですね。

ーー岩下さんの営農や生き方に関するポリシーみたいなものはありますか?

三代目:僕はまだ若造なので、格好良く言えるようなことはあまりないのですが、お客さんに来年のものを期待してもらえることはすごく励みになりますし、そうした期待にしっかりと応えられるように、出来るだけ美味しいものを作りたいという気持ちを常に心掛けています。