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木内農園

主要品目の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
鳴門金時

Farmer Profile

木内 雅和
(きうち まさかず)

木内 雅和

1975年、徳島県鳴門市出身。食品関係の営業職を4年間務めた後、父母の代より約40年間続く木内農園を継ぐ。1996年から農薬や化学肥料を大幅に削減した栽培方法を実践する生産者のみが取得可能な特別栽培農産物の認証を取得。現在は、広さ1町7反の圃場で、親子二代で安心で美味しい鳴門金時づくりを行う。趣味はさつまいもづくりと音楽。

親子二代、こだわりのなると金時づくりにかける想い

 徳島県鳴門市にて鳴門名物「鳴門金時」の栽培に励まれている木内さん親子。毎年全国から引き合いがくるという"なるとの金太郎"は、鳴門金時の中でも絶品のさつまいもです。木内さん親子からは、そのやさしいお人柄がインタビューの会話を通じてひしひしと伝わってきました。「お客さまのことを大事に、お芋のことを大事に」をモットーとする鳴門金時づくりのプロに、営農に関するお話を伺ってきました。

高島 勇志

担当:高島

ーーご実家を継がれる前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

雅和:以前は、日本そばの営業の仕事を4年程していまして、その後、実家に戻り農家として正式に農園を継ぎました。木内農園は親父の代からなので、僕が2代目となります。今から40年程前に、父と母が脱サラで農業を始めたのが木内農園のはじまりです。

ーーご両親が農業を始めた理由は何でしょうか?

雅和:元々ここ鳴門市で父の祖母が農業をしていたんですよ。当時、祖母はもう高齢で後を継ぐ人もいなくて・・・

畑やお墓もそのままにしておけないなということで、両親が鳴門に帰り、それから農業が始まりました。

ーー小さい頃からいつか農業をやろうと思われていたのでしょうか?

雅和:昔から父はさつまいもの栽培の方に専念するタイプで、販売する方が苦手だったこともあり、僕がまだ前職で営業の仕事している頃から農園の方の手伝いは(主に販売面で)していました。

 実際に農園を継ぐきっかけとなったのは、僕が体調を崩してしまって、営業の仕事を続けられなくなってしまったことがあります。それがきっかけとなって、農家としてのキャリアを歩み始めました。

ーー実際、どのようなさつまいものことを鳴門金時と言うのでしょうか?

雅和:これは中々知られていないことなんですが、鳴門金時と言えるのは砂地で作っているところだけなんですよ。ですので、同じ県内でも山の方で土で作っているところのさつまいもは、鳴門金時とは言えないんですよ。徳島県の中でも、極々決まった地域(主に徳島県の北部、鳴門海峡に近く砂地のある地域)だけでしか作れないお芋が、鳴門金時なんですよ。

 徳島県の温暖で降雨量が少ない気候と、海のミネラルをたっぷりと含んだ砂地で育てられているのが味の秘密で、好立地から生まれた鳴門金時は、さつまいものトップブランドとして人気があります。また、食物繊、ビタミン がたっぷりで、美容と健康に最適の食物といわれています。

ーーそうだったんですね。そんな鳴門金時の中でも、木下農園さんで作られている鳴門金時の特徴について教えてください。

雅和:知り合いの色々な方に味見してもらうのですが、「(食べた時の甘みが)後を引かない。あっさりしていて、また欲しい」ってよく言われます。

 他のさつまいもの品種でいうと、紅はるかのように甘くて水分が多いさつまいももありますが、甘みがずっと残るので、甘い味が本当に好きな方や昔から食べ慣れていたりする方には良いと思いますが、ウチは甘みが全てではないと思っていて。甘さはもちろんあるのですが、後にのこらない上品なさつまいも、鳴門金時づくりにこだわっています

 実際商標も取っていて、「なるとの金太郎」という鳴門金時の中でも木内農園の特別な名前があるんですよ

ーー「なるとの金太郎」ですか!

雅和:鳴門金時って通常、中が真っ白なんですよ。栗みたいにホコホコで、喉に詰まるような感じなんですよ。でも、ウチのお芋はふつうの鳴門金時とも少し違って、お芋の縁が飴色のようになるんですよ。中が少し白くて、喉に詰まるような感じではないんです。さらに後味がしつこく残らないので、食べた時は「甘い」と感じるのですが、次々と食べられるような感じですね。

ーーその見た目の美しさと次々と食べられる甘さは、さつまいも好きの私としては非常に興味深いですね!さつまいもの管理はどのようにされているのでしょうか?

ふさ子:ウチの農園は特別栽培農作物の認証を受けているので、圃場(畑)毎にしっかりと栽培を管理しています。ですので、さつまいもについても、貯蔵する際には、どの圃場で採れたさつまいもなのかを印を付けて管理をしており、各圃場毎にしっかりと味見を行っています。

 鳴門は早堀りというものがあって、早いものは、植えてから90日位で収穫したりもするのですが、木内農園では早堀りはしていません。120日間きっちり土の中に置いてから収穫をしたさつまいもは、味もしっかり乗りますしどっしりしたお芋になります。

 また、収穫後、1ヶ月間は出荷を行いません。8月に収穫を始めると、少なくとも9月中旬頃までは出荷しないんですよ。

ーー収穫後、最低1ヶ月は貯蔵されるのは何故でしょうか?

ふさ子:掘ってすぐであれば、さつまいもに水分が残っていて、デンプンが糖に変わらないのですが、1ヶ月間程貯蔵するとさつまいもの中のデンプンが糖変化し、甘さや美味しさもぐんと増します。ウチでは、そうした追熟をしっかりと行ってから出荷するようにしています。

ーー鳴門金時を使ったオススメのレシピなどはありますか?

ふさ子:さつまいもなので、やっぱりそのまま蒸して食べてもらうのが一番良いかなと思います。この地域だとお味噌汁にしたり、きんぴらやグラタンとかにもしますので、そうしたお料理もお勧めですね。

 あとは鳴門市の地場産業も鳴門金時を使ったレシピをたくさん作っていて、ウチの芋を買って頂いた方にはこれらのレシピも一緒に入れて送ったりしています。

ーーそうしたレシピがあると嬉しいですね。

ーーいつ頃から特別栽培農作物の認証を取得し出したのでしょうか?

ふさ子:20年位前からですね。

ーー特別栽培農作物の認証を取ろうと思われたキッカケは何だったのでしょうか?

ふさ子:昔、近所で乳牛を飼育されている方がいて、ウチのさつまいもの蔓を持って帰って牛にあげていたんですよ。地域の標準的な量の農薬を撒いていたら牛には食べさせられないので、出来るだけ農薬の量を減らして栽培するようになりました。ちょうどそんなときに、特別栽培の認証を取ってレンコンをつくっている友人に誘われたのが初めのキッカケです。

 農薬の量をそれまでの5割以上減らすといってもそれは簡単なことではなく、形や規格がイマイチだったりして・・・

初めはかなり苦戦しました。しかし、特別栽培の認証を取られている生産者さんや減農薬栽培を指導している方々から様々な話を聞いていく内に、栽培も年を追うごとに上手くいくようになっていきました。

ーー特別栽培に切り替えられて初めの頃は大変だったと思うのですが、特別栽培を辞めようと思ったことはなかったのですか?

ふさ子:正直な話、もうやめてしまおうかと思った時期もありますよ。手間もすごくかかりますからね。でも、買ってくださるお客さんからリピートがあって、美味しいよって言ってくださるからやめられなくなってしまって(笑)

ーーやはり農薬の量を減らすとなると大変なことは多いですよね。

ふさ子:さつまいもなどの畑の根菜類は、虫も来ますし、病気にもなったりしやすいので、農薬を減らすといっても中々難しいんですよ。畑の生態系や作物へ影響を与える生物を理解するために、変わった虫がいたら、写真を撮って県の専門家の方に見てもらいに行ったりもしています。

ふさ子:代々継がれてきた生え抜きの農家さんでしたら、跡継ぎの息子さんたちも親の代からずーっと見てきていらっしゃるじゃないですか。だからそれまでと変わったことをしようものなら、親の方が反対されることが多くて、息子さんたちも自分の思ったことしようとすることが難しいんですよね。

ーーたしかに、他の生産者さんを訪問した際にも、似たような話を聞いたりもします。

ふさ子:その点、祖母の畑を継いだとはいえ、私達は好きなようにできますし、息子にも新しいことにどんどんチャレンジするように言っています。あとは、自分達で分からないことがあれば専門の方に聞いて教えてもらったりしています。農業を始めた初めの頃は、さつまいもではなく大根を栽培していたのですが、当時から種苗会社の大根担当の方に直接電話して教えてもらっていましたね。

 その専門の方からは、こんなに詳しく聞いてこられた方は初めてですってよく言われましたね(笑)。でも私達はゼロから始めたので、当時は細かく聞かないとわからなかったんですよね。

ーーすでにベテランとなられた今でも、そのような柔軟な姿勢で農業と向き合われている木内さんのような生産者さんたちこそが、これからの日本の農業を支えていくように思っています。

ーー農薬を5割以上も削減するとなると大変だと思うのですが、その辺はいかがでしょうか?

雅和:大変ですね。一般的な栽培方法と違い、収穫が近づくと絶対に薬は与えないですし、まずしっかりと畑を見回って作物や土の状態をこま目に確認するようにしています。農薬の種類についても、即効性のある薬というのは、作用がキツいので使っていません。日々の地道な観察を行った上で、どうしても必要となるときには、最低限の農薬を使うといった具合ですね。

ーー畑の管理に手間を掛けることで、農薬の使用を大幅に減らしているということですね。

雅和:もちろん、その分、農薬を使う判断やタイミングは非常に難しいので、長年の経験と技術が必要です。例えば、1週間位かけてゆっくりと効いていくような薬もあるのですが・・・

1週間後には葉っぱが害虫に食べられてしまっていて手遅れになる可能性もあります。どのタイミングで対処した方が良いのかの見極めが、一般の生産者さんとは違ってすごく難しいですね。

ーー畑の様子、作物の様子を丁寧に毎日チェックしていないと、本当にわからないですね。

雅和:そうなんですよね。虫の世界もまた面白くて、以前、畑で変わった虫を見つけたのですが、その虫は害虫を食べる虫だったんですよ。ウチの畑では害虫を食べる虫も多くて、虫がいると鳥も来て、上手い具合に畑の中で食物連鎖が起こっていますね。

ふさ子:どうしてもね、口に入れて食べるものなんでね。やっぱり(農薬は)気にはしながらやっていますね。お芋さんやったら、お年寄りの方や子どもさんも好きな方多いのでね。自分自身もあんまり農薬が多いと気持ち悪いと思うので、出来る限り薬も減らして、化学肥料も出来るだけ減らしてと考えています。

ーー化学肥料も抑えていらっしゃるのですね。

雅和:基本的には有機肥料を使っています。苗も、自分達の苗を業者に送って育ててもらって、それを返してもらって植えています。なので木内農園独自の苗で栽培しています。

ーー育て方一つを取っても、多くの時間と労力を使っていらっしゃるのですね。

ふさ子:他の生産者さんのところと違って綺麗なお芋ばっかりとはいかないけれど、でも食べてもらうには安心して、そしてなによりも美味しく食べてもらえるかなと思っています。

ーーこれまでで大変だったことや苦労されたことはどのようなことでしょうか?

ふさ子:やはり一番は日々の草取りですね。除草剤も一般の農家さんと同じように撒いている訳ではないので、草がどんどん生えてくるんですよ。一度でも、もういいやって諦めて放置してしまうと後々圃場全体に響いてくるので、手間がかかっても手の抜けない作業なんですよね。ちょっとでも置いておこうものなら倍になって返ってきます。草の種はすごく強いですからね。

 あとは、さつまいもを植えてからは、雨が降らないと枯れてしまうので・・・

こまめに水をやる作業も、面積が広いのですごく大変です。さらに、この辺の川の水は塩水が混ざっているので、川の水を畑に撒くことができません。だから、雨水をタンクに貯めたりしています。そうした細々した地道な作業が大変ではありますが、美味しい鳴門金時づくりのためには、すごく大事になってきますね。

ーー一般の方からはシンプルな作業に見えても、面積が広かったり、回数が多くなったり、作物に気を配りながら作業すると本当に大変ですからね。

ふさ子:やっぱりす何でも良いものがパッとすぐにできるということはないので。さつまいもに限らずですけれども。それでも、そうしたことを日々楽しんでいることには間違いないんでしょうけどね。

雅和:ウチはハウスの中で苗を大きくなるまで成長させて、蔓になったお芋を切って畑に植えるようにしています。なので苗の段階から勝負は始まっています。蔓を切る作業も1本ずつやるので、全体では何万回も同じ作業の繰り返しとなります。さつまいもを植えるのも、1日中、1本1本中腰で植えていくので、腰が本当に辛くなります。

ーー何万回ですか!?

雅和:そうですね。さつまいもは全部で何十万個と植え付けるので。ただ、しんどい作業ではあるのですが、そうした大変さがなかったら芋掘りの楽しみがないですからね。どういうお芋ができたかなぁという楽しみがないとね。

ふさ子:農業体験とかしてもらったら一般の方は1時間も持たないと思いますよ(笑)

ーー本当にそうでしょうね(笑)

ふさ子:おそらく10~15分位植えていったら、もう無理ってなると思いますね。どんな農作物にしたってそういう大変なことってあるんですけどね。一度体験しに来てくださった方に「また来てくださいますか?」って聞くと決まって「もう結構です」っておっしゃいます(笑)

雅和:収穫の時期になると、まずは畑の端4箇所を全部手で掘らないといけないんですよ。機械で掘り進んでいく場所を作らないといけないので。ずーっと手で掘っていたら指先が痛くなってきます。砂なのでサンドペーパーを触っている感じになるので、素手だと指紋が無くなってきたりします。

ーー本当に大変なお仕事ですね・・・

ーー木内さんにとっての、農業の魅力や面白さについて教えてください。

ふさ子:ウチは市場出荷ではなく、自分達での販売が中心なので、やっぱり丹精を込めて育てたお芋に対するお客さんの声を聞けるときが一番嬉しいですね。先日は、高松のお店でウチの商品を買ったくださった方が、「おいしかった~」とわざわざお電話をくださったんですよ。

 その後、「販売用に家でみかんを作るのはやめたのですが・・・

自家消費用に美味しいみかんが取れたので是非召し上がってください」って、おみかんを送ってくださったりすることがあって。そういうことがあると、やっぱりこの仕事(農業)はやめられないなぁと思いますね。

ーー素敵なことですね!

ふさ子:そうやって毎年自分達のお芋を待って下さっている方もいらっしゃるのでやめられないですね。そういう個人の方と色々繋がり合えることは魅力的ですよね。

ーー消費者の方に伝えたいことはありますか?

ふさ子:畑でどういう風に栽培をしているかを知っていらっしゃらないと、ウチのお芋は少し高めと感じる方もいるかと思うんですけど、農薬を減らせば虫や病気にやられるリスクも大きいですし、薬に頼らない分、畑を良く観察して、手間がかかっていますのでね。

 さつまいもはさつまいも何ですけど、人が口にする食べ物なので、ちゃんと食べてもらおうと思ったら、やっぱりそれなりの手間がかかるということをご理解頂けたらと思っています。初めて買って頂く方にも、お便りを書いたり、簡単ですが、お料理のレシピも一緒に入れてお送りさせてもらっています。

ーー販売先はどのようなところが多いのでしょうか?

雅和:個人様向けが多いですね。あとはスーパーやお店で扱って頂いたりしています。全日空さんとも長くお付き合いをさせて頂いていまして、かれこれもう10年以上になりますね。全日空さんには座席の前にある機内誌から始まって、現在は同社のインターネットでも販売をしてもらっています。

ーーそれだけ素晴らしい鳴門金時をつくられているということなんですね。個人向けにはどのような形で発送されるのでしょうか?

雅和:お芋は上下を切って洗うと、そこから水分が入り、柔らかくなって腐りやすくなります。ですので、基本的には、殆ど洗わない状態で送らせてもらっています。その方が日持ちもするので。

ーーそうなんですね。ただ、消費者側としては、べっとり付いた土は少し気になってしまいますね。

ふさ子:粘土質で作ったお芋さんとは違って鳴門金時は砂地で栽培するので、ベタッと土が付いているわけではなく、サラサラとした砂が付いている程度なので、割と家庭で洗ってもらう分にも洗いやすいかなとは思います。もちろん、贈答品等、ご希望に応じてウチの方で洗ったりもしています。

ーーそうであれば問題ないですね!

ーー今後、農業を通じて実現したいこと、やってみたいことなどはありますか?

雅和:ウチのお芋を使った加工品を作っていきたいなぁとは思っていますね。木内農園のお芋ならではのものを考えていけたらなと思っています。

 あとはこういう栽培方法でやっていますので、環境の方でも声をかけて頂いておりますね。EVIという日本全国の森を守っていこうという取り組みを菓子メーカーのカルビーさんが中心になって始めたんですけど、ウチもそれに参加させて頂きまして、袋や箱に入ったりしているお芋を買って頂いた時に、その商品に対して何円分を森に苗木という形で還元したりという取り組みに参加しています。

ふさ子:これも一つね、森が減ったりすると住宅や畑に影響が出てきたりするので、そういう取り組みも良いかなと思ってね。

ーー素晴らしい取り組みですね。

雅和:色々な方のお声がけやアドバイスがあっての自分達でもあるので、本当にありがたいことですね。ちょっとでも、色んな方に自分達の取組みについて知って頂けたら嬉しいなと思っています。

ふさ子:ウチのお芋もそうですけど、それ以外にも、野菜でも果物でも、産地ではそれなりに大変なことはたくさんあるのでね。少しでも一般の消費者の方にそうしたことを分かってもらえて、尚且つ、美味しいものを一般の消費者の方が食べれたら良いなぁと思っています。それがウチにとっては一番大事だと思って、日々お芋づくりに励んでいます。