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づっか農園

づっか農園のイチオシの野菜

寒暖差の恩恵が産んだ無情の甘み
冬の彩り野菜8種セット

生命力の強い野菜を作りたい!と考えて作物に向き合っています。土づくりには、ワラ、草、剪定枝チップなど地元の資源のみを使っています。また、生ごみから液体肥料を作り出す「バイオガスプラント」の運営・管理にかかわり、液体肥料を使用しています。

この液体肥料を使うと土の肥料分を作物が必要なだけ吸収できるようになり、生命力の強い野菜づくりが可能になります。

主要品目の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
スナップエンドウ
タマネギ
ジャガイモ
人参
キュウリ
ミニトマト
ナス
ゴボウ
大根
ほうれん草
ブロッコリー
ピーマン

Farmer Profile

金塚 竜・裕子

金塚 竜・裕子

1968年茨城県生まれ。有機農業が盛んな小川町で新規就農し、今年で営農歴16年目を迎えるベテラン有機農家。「強い野菜づくり」をモットーに、畑の半分の面積で土を耕さない不耕起栽培を実践。「地域資源の活用」や「楽しい農業」をポリシーとして、奥さんの裕子さんと共にづっか農園を営む。毎週日曜日には、隣町のときがわ町で「ときのこや」メンバーと直売の活動なども行なっている。

地球を守り、強い野菜をつくる

 地球環境を守りながら、強い野菜、生命力のある野菜を栽培される金塚さん。挑戦と失敗、そして成功。その飽くなき繰り返しこそが農業という仕事の真骨頂だという金塚さんに、不耕起栽培にかける想い、人生の生き方などについて教わってきました。今回、金塚さんの研修時代の同期であり、toriiiにもご登録頂いている「環の花」の宮永さんからご紹介を頂き、訪問させて頂きました。

高島 勇志

担当:高島

ーー金塚さんは元々、小川町のご出身ですか?

 生まれは茨城で、親が転勤族だったため、家族であちこちに行っていましたが、最後は埼玉県の志木で落ち着きました。父親の実家が茨城で農家をやっていました。小川町に来たのは、就農のための研修先を探しにきたのがはじめですね。

ーー農業やられる前は何をされていたのですか?

 サラリーマンを3年ぐらいやった後、個人事業を3年やっていました。農家になろうと決めてからは、北海道の牧場で半年間研修をしていました。その後、小川町で就農しました。

ーー農業の中でも、有機農業を選ばれた理由は何ですか?

 小川町に来て、有機農業に関するとある本を読んで興味を持ったのがきっかけですね。

 元々、大学では林学を勉強していて、自然保護みたいな活動をしていました。自然を守れたらいいなぁという具合で農業始めた感じなので、初めは何にも分からなかったですね。

 なので、初めは純粋に田舎を守りたいという想いで農業を始めて、いろいろとやっていく内に、有機農業や自然農に途中で出会ってしまった感じなんですよね。

ーー金塚さんは、介護福祉士の資格もお持ちだとお聞きしました。

 週に一回、介護の仕事もしています。介護に関しては介護福祉士の資格もとっていて、もう8年目です。介護の仕事もやってみたらすごく面白くて。僕みたいな人は特殊だと思うんですが、介護は色んな人の人生を見せてくれるんですよ。じいちゃんばあちゃんは畑をしていた人が多いので、すごく話題が合うんですよね。なので、すごく楽しんでいますね。

ーー有機農業の中でも、畑を耕さない不耕起栽培で作物を作られているとお聞きしたのですが。

 厳密に言うと、耕す所(不耕起)と耕さない所(耕起)があります。不耕起栽培を始めたきっかけは、当時、畑を耕すための耕作機械がなくて、不耕起で営農をスタートしたんですが、不耕起栽培などを実践する自然農というやり方があることを後から知りました。耕さないで同じ質の作物が出来るなら、絶対にそっちの方が良いんじゃないかと思ったんですね。

 不耕起栽培の良い所は、急激に土が良くはならないんですけど・・・

徐々に畑の土壌に自然本来の生態環境ができていくので、それらの生物による作用で、土が肥えていき、じわじわと泥(土)の感じが良くなっていくのがわかります。

 何年か前に畑の土壌の微生物調査をしてもらったときに、有機物を入れて耕している畑の土と比べてもほとんど遜色はありませんでした。

 不耕起栽培の畑の微生物が特別少ないだとかそういう事はなく、生物のバランスも良かったので、あとは扱い方なのかなぁとか思っています。ですので、不耕起栽培についても諦めずに、耕す所と耕さない所を上手く使い分けていきたいと思っています。

ーー不耕起栽培を始めた具体的なきっかけはなんですか?

 昔、”百姓の思想”っていう本を読んだ際、「大きな機械というのは、南北格差のもと、南の人々から搾取した富で成り立っているという事実を知るべきだ」、と書いてあるのを読んで、目からウロコというか、だったら自分は大きい機械を使わない方が良いのかなって思ったのがきっかけでしたね。

 地力があれば、僕は耕そうが耕さなかろうがしっかりとした作物はできると思っています。まぁ、それで何かが生まれるというわけではないんですけど、自分の中では、そんなこだわりを持ち続けたいなぁってずっと思っていて、そういう意味でも不耕起にこだわっていますね。

 僕は弱い野菜は作りたくなくて。不耕起の畑で作ったものには自信があって、やっぱり不耕起の状態で育っただけあって、(作物自体が)強いんだろうなって思うんですよね。

 泥(土)がしっかり良くなっている所では、泥(土)が上手く肥料分を調整してくれるというか、根っこに必要な分だけが吸える感じになっているんですよね。耕起、不耕起関係なく、例えば、窒素ばっかり吸収してしまっては弱い野菜になってしまったりするので。ただし不耕起栽培は時間もかかるので、全ての畑の泥(土)がサラサラの状態になるまで道はまだ長いですね。

ーー不耕起と耕起の割合はどれ位でしょうか?

 面積では半々位ですね。耕す所も年がら年中耕すのではなくて、耕さないで作れる所はそのまま作ってしまう。燃料を使わないことと大事なことは草で、草は放っておいても呼吸をしてくれます。

 微生物やミミズも草の根っこに集まるので、草は生えていた方が絶対良いと思っています。なので、耕さなくても良いモノができるのであれば耕しません、というスタンスですね。

 同じ有機農家さんでも、こだわるところは皆さん少しずつ違うので、「何を大事にするか」なのかなって思います。私は環境を守りたいだとか、安全を守りたいだとか、そういう側面ですね。

ーー不耕起栽培に対するこだわりは、大学時代に学ばれた林学からも影響を受けているのでしょうか?

 そうですね。林学科で山村地域を守るという研究をしていたので、自然を守るという側面から不耕起栽培にもアプローチしました。林学の中に森林土壌学という分野があって、そこでは、土は土の表面(表土)から良くなっていくって言われているんですよ。

 その部分が、自分の中では不耕起栽培の発想の土台になっていて、上(表土)から土が良くなってくるのであれば別に耕さなくて良いんじゃないかという考えになり、それからは有機物を土に積み重ねていくようになりましたね。

ーー肥料はどのようなものを使われているのでしょうか?

 肥料に関しては、メタン菌を使って食物残渣などの生ゴミの嫌気発酵を行なう施設(バイオマスプラント)から作られる液体肥料(液肥)を主に使っています。

 このバイオマスプラントは、地域の有機農家や町の有志で手作りした施設で、資金もクラウドファンディングで募り、運営もNPO法人が行なっています(NPO小川町風土活用センターについてはこちら)。

 この施設は、試作段階から合わせて15年以上の運用実績があるのですが、僕はこのNPOの理事をやらせて頂いています。年に2回、野菜交換会というのを行っていて、生ごみの分別に協力してくれた地域の方々に、僕達農家の野菜を無料で提供したりしています。

 その他には、稲の籾殻と粉砕籾殻、木材チップや落ち葉の腐葉土を入れていますね。粉砕籾殻は撒いておくだけで、ほうれん草がしっかりできるので重宝しています。

ーー金塚さんには地域というキーワードがあるような気がします。

 はい。僕が何よりも大事にしていることは、地域のものを出来るだけ活用するということです。僕は肥料や堆肥にもマイレージがあると思っています。例えば、遠くから運んでくる工場の製品などは、目的地に運ぶためにたくさん石油を消費しています。

ーー化学肥料などに使われている原料は遠く大陸から輸入されてきていますからね。

 そのようなことをするなら、地域で活用できる資源を、自らの圃場で活用する方が僕にとっては大切ですね。

ーーこれまで大変だったことや苦労したことは何ですか?

 農業を始めてから3年目位の頃なんですけれども、当時は野菜を作っても作っても収入がほとんどなくて。作物がたくさんできても上手く売れなかったりと、振り返ってみれば大変だったなって思います。

 農業を始めた頃の絶望感はほとんどなくなってきましたね。僕自身は、作物を作る苦労は、苦労とは感じていないから、販売の面でいろいろな人との関係づくりや売り場との関係など、どちらかというとそうした壁の方が苦労が大きいですね。

ーーまさに、農業を「仕事」として行なうことは簡単ではないということですね。

 そうですね。僕は、農業は趣味でやる分にはこんなに楽しいことは無いとよく言っています。作物を栽培することは楽しいですし、そんなに苦労はないですね。まぁ、それでも日々の日常は常に崖っぷちですけどね。あれやってないなぁ、これやってねーなぁって(笑)

 毎年毎年、挑戦、挑戦、失敗、成功みたいな。たとえ失敗したとしても、そこでイジイジしても仕方がないので方向転換をするか忘れるか。そうしない限りは、仕事としての農業の道は無いですね(笑)

 ある意味、諦めが肝心で、スパッとじゃあ次に行こうかと思えなきゃいけないですね(笑)なので、作物の栽培に失敗したということはあまり堪えないです。

ーー金塚さんが生きる上でのポリシーのようなものはありますか?

 とにかく農業も介護も全力で生きる。その場で出来ることに全力を尽くす事にしています。へこたれることも失敗することもたくさんありますけど、ベストを尽くすことです。そこのポリシーは失いたく無いですね。

ーー消費者の方に伝えたい事などはありますか?

 正直なところ、産地で生産者がどれだけの思い入れやこだわりを持ってやっているかを全て伝えることは難しいなと思っています。例えば、ちょっとでも変なものを燃やして変な物質を出したくないとか、ちょっとでもマルチのビニール使いたくないとか・・・

 そして、実はその「ちょっと」っていうのが実は手間がすごくかかるんですよね。例えば、マルチのビニールを使わないために代替の手段としては、手で雑草を取るっていうことなんですけど、その手間の差ってすごく大きくて。

 消費者の方にはそういうところは中々見えづらいとは思うのですが、そうしたこだわりを持って、農業をやっているということを少しでも理解して頂けるととてもありがたいですね。

ーー確かに、「ちょっと」を実際に現実に落とし込むのって意外と大変ですよね。

 あと何より想うところは、強い野菜を作りたいというとこですね。地球を守りつつ強い野菜を作りたい。強い野菜、食べて元気になれる生命力に溢れた野菜を作りたいなと思っています。だから、最適な量の肥料分を野菜が吸えるような泥(土)づくりにはすごくこだわっています。

ーー金塚さんにとっての農業の魅力や面白さについて教えてください。

 農業を始めて最初の頃は作物ができることが楽しくて仕方なかったんですけど、作った作物をお客さんに買って頂けると、次は売れることが楽しくなってきて。

 そして最終的には、こだわって作っている作物を買ってくださった方から、「美味しいね」って言ってもらえることが何よりも嬉しいですね。「あなたのとこのお野菜美味しかったから、また買うわね」って言って頂けることに喜びを感じています。

ーーやっぱり直接お客様の反応を頂けることは、嬉しいですよね。

 そうですね。正直言うと、1回だけ、このままじゃ続かないしもうやめようかなって思ったことがありました。こんなに苦労して、全然お金も稼げなくて、自分の思うようにもできなくてって感じで。くそーって思ったこともあったんですよ。

 僕の農業のやり方(不耕起栽培)は、有機栽培の中でも決して効率的なやり方ではないと思うんですよ。ただ、目指している今の方法が、自分が死ぬまででやっと完成するくらいだと思っていて。それが完成すれば良いなって感じで、本当に夢中になれる仕事です。

 耕起、不耕起と、まぁ中途半端に思われるかもしれないけれども、僕は畑を耕してみてこんなにも労力もエネルギーも使うんだなって気付かされたんですよね。だから耕さないでできる所は、そうすりゃ良いじゃんって、逆にすごく強く思うようになって。「不耕起栽培を完成させるぞ」ってところに、とても面白みを感じていますね。

ーー農業を通じて目指しているところや、実現したいことはありますか?

 僕は、不耕起の所と耕起の所の作付けを上手くやって、しっかりと稼ぐことのできる農業にできれば良いなって思います。

 というのにも理由があって、昔は農作業を手伝いに来てもらったりしていた友人がいたんですけど、その友人が引きこもってしまって。僕はそいつを雇いたいという目標があって、その為には、やっぱり自分がしっかりと農業で稼がなければいけないなと思っています。

 何と言いますか、万人を受け入れられるのも農業の魅力だと思うので。例えば、ニートと言われるような人が・・・

社会に復帰できる、そのきっかけを農業で働くことで作ることができれば良いなと思っています。

 多分、不耕起栽培の確立と共に、最終的に僕が実現したいことはそこなんだと思います。

 夢ではあるんですが、ただ夢って言っているだけでは実現しない。だから夢ではなく自分の中では目標にしています。そこまでいければ何の未練もなく満足して死ねるかなぁ、みたいなね。

ーー素敵な「目標」ですね。

 週1回介護の仕事もしているせいか、生死についてすごく色んなことを考えています。考えれば考えるほど、やはり自分の満足のいくことをやらないとと思っていて、死ぬ前とかに良かったなぁって思えるような人生にしたいって思っていますね(笑)

 だから後悔だけはしたくなくて。せっかくこんな方法(不耕起栽培)を始めちゃったなら大成させたいなぁという気持ちは強くて。ある程度の形は作って、何年後かにでも、憧れる方がもっと出てきてくれれば良いなって思います。