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三川農園

三川農園のイチオシのこだわり米

豊川、矢作川の源流が育てた名倉の一品
三川農園こだわり米

奥三河名倉高原で17年間農薬化学肥料を一切使わず、水は高原の沢の水です。

コシヒカリはポピュラーな品種ですが、産地・農家ごとに味が違い、みねはるかは愛知県奥三河地方の一部のみで作っている、ほとんど流通していない幻のお米です。

主要品種の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
コシヒカリ
ミネハルカ

Farmer Profile

三川 智志
(みかわ さとし)

三川 智志

1969年、神奈川県横浜市生まれ。20代で愛知県奥三河の山村に移住し、有機農業の研修施設にて1年半の研修後、新規就農。以来、農薬を使わず、生き物と共生する稲作農家として、水の綺麗な山村北設楽郡にてこだわりの米づくりを行う。地域の子ども達に空手を教える空手道禅道会名倉道場長の顔も併せ持つ。家族は奥さんと2男の4人家族。

やさしさ溢れる米作りのプロ

 矢作川の源流地域であり、山からの湧き出る沢水が豊かな愛知県北設楽郡にて、自らの理想の稲作りを目指してこだわりのお米作りを行なう三川さん。とても謙虚で優しい人柄と強い信念を持ちながらも、柔軟な思考をお持ちの生産者さんで、農業に空手と、地域の子どもたちの人気者でもあります。そんな三川さんから営農にかける熱い想いを伺ってきました。

上村 聖季

担当:上村

ーーご出身は横浜市とのことですが、三川さんがここ愛知県北設楽郡で農業を始めようと思った理由はなんでしょうか?

 20歳くらいのときに、自分は社会問題や環境問題などにすごく関心があって、そうしたことについて色々と調べてくうちに世の中酷いこと、悲惨なことがたくさん行なわれていることを知って、当時はまだ若かったということもあるのですが、如何に自分が無力なのかということを痛感させられていました。

 同時に、自分は横浜市という都市部に住んでいた訳ですが・・・

そうした社会の諸問題の犠牲の上で成り立っている都市部で生活をしているということは、少なくともそんな自分が社会問題についてとやかく言える立場ではないなと思いました。

社会問題に対して強い問題意識を持つ自分が、加害者となるような立場には自分は立ちたくない、そんな想いから都市を離れて、田舎で生活したいと思うようになったのが大きな理由ですね。

ーーそんなお若い頃から社会問題を他人事ではなく、自分のこととして考えていたということはすごいですね。

 今考えるとすごい頭でっかちだったなって思いますが(笑)

ーーその後、すぐに就農されたのでしょうか?

 一度、東京にある広告会社で働いていたのですが、就農を目指すために会社を辞め、この地域にある有機農業の研修施設で1年半ほど研修を行い、そのままこの地域で新規就農をしました。

ーー就農された背景をお聞きする限りでは、元々有機農業での就農を目指されていたということですね。

 そうですね。慣行栽培は全く考えていなかったですね。

ーー農業の中でお米づくりを選ばれたのはなぜですか?

 就農した当初は、お米も野菜もつくっていたのですが、この場所(北設楽郡)から大きな消費地の豊橋市まで野菜を売りにいこうとすると、片道2時間ほどかかってしまうため、とてもじゃないけど、農作業をしながら生鮮品であるお野菜を販売するのは難しいなと。それからは自分の好きなお米づくり一本に絞って営農をしてきました。

ーー販売に行くのに片道2時間は辛いですね・・・。三川さんが畑よりもお米づくりが好きな理由はなぜなのでしょうか?

 普通は就農する場所などを考える際に、消費地の距離などを考えたりするのですが、自分はそこの部分を何も考えていなかったんですよね(笑)

 田んぼが好きな理由は、昔から泥遊びというか、水に入って作業をするのが好きなんですよ。田んぼに入って作業をしながら、有機栽培をしていると色々な虫だとか生き物もたくさん田んぼの中にいるので、そういうのを見ると作業もやっていて楽しいし、心も癒されるんですよ。

ーー生き物が好きという気持ちなどは、三川さんの過去のどのような経験から来ているのでしょうか?

 生まれは横浜市ではあるのですが、実際住んでいたのは横浜市の郊外の方にある街で、今は動物園や県立の自然公園ができて変わってしまったのですが、昔は街の周辺に森のようなところがたくさんあって、そこが小さい頃の遊び場でした。そのときに自然に毎日触れていたことが体験として残っているんじゃないかと思います。

ーー就農をされてから苦労されたことはありますか?

 最初の10年くらいは苦労しましたね。農業そのものというよりは、まずは外からこの地域に入る段階でかなり苦労しましたね。やはり田舎なので、新しい人が外からくると地元の皆も不安なわけですよ。そこで地元の方に安心してもらうまではかなり大変でした。

 有機農法という周りから見れば訳の分からないものに対して、下手な農業をして土地をダメにしてしまうんじゃないか、自分たちに・・・

批判的なんじゃないか、と思われたりして地域にとけ込むのにとても苦労しましたね。

ーーそのような問題に対してはどのように対処されたのでしょうか?

 まずはやっぱり、こちらから積極的に地元の方とコミュニケーションをとるようには心掛けましたね。地域の催し物や有志の活動には全て出るようにしていましたし、有機栽培についても決して、他の方がやっている慣行栽培を否定するものではないと丁寧に説明もしていきました。

 あとすごく重要なことは、有機栽培であろうが、どのような農法でもそうなのですが、「本当にそれで作物ができるのか?」という周囲の疑問に対して、(作物が)「できていないじゃないか」となるのが一番ダメで、逆に作物がしっかりと出来ていると、「中々やるじゃないか」となるんですよ。

 特に、実際に有機栽培などでしっかりと作物を作れるところを見せると、慣行栽培でやっている地元の農家さんも「お前のやり方の方が良いのかもしれんな」と言ってくれるようになります。なので、自分の経験上は、口で言うだけ言って、実際に出来ていない(行動を伴っていない)ことが、特に農家として、新しい地域にとけ込んでいく上で一番のNGになりますね。

 まぁ、そうこうして受入れてもらえる迄に10年くらいかかったのですが(笑)そして、実際にできるんだという挑戦は今も続いています。

ーーやはり新しく田舎のコミュニティへ入っていくには、そうした地道な信頼の積み重ねが重要なんですね。

 そうですね。特に、自分の場合は農業をやっているので、その地域で圃場となる土地を誰かに借りなくてはなりません。やっぱり信頼されないと土地なんてだれも貸してくれませんからね。最近では、これまでの信頼が積み重なり、逆に「うちの田んぼやってくれんか」、と声をかけられるようになりました。

ーー三川さんの農業に対するこだわりについて教えて頂けますか?

 基本的に農業というのは、その場所の自然や生き物など色々なものに支えられて出来るものなので、自分の存在もその中の一部に過ぎないと思っています。なので、美味しいお米が出来た場合も、それは自分の手柄ではなくて、この地域の自然や気候などのおかげで作れたものという気持ちが強いですね。

 そういうこともあるので、自分の場合は、うちは◯◯農法だから・・・

良いお米ですとかっていう売り方はあまりしたくないなって個人的には思っていますね。まぁ、その方が販売方法としては分かり易くて上手くいくのかもしれないのですが・・・

ーー農薬や化学肥料を使わないとなると、やはり大変なことも多いと思うのですが。

 大変なことは大変ですね。有機栽培でやる分、細かい観察や作業も多くなりますし、自慢じゃないですが、これまでにぎっくり腰を何回も経験しています(笑)お金がたくさんほしいということではないのですが、じゃぁそれだけ収入も多いかというと決してそういう訳ではないので。

ーーそれでも有機農法によるお米づくりを続けられているのはなぜなのでしょうか?

 病気が出たら消毒液を撒こうとか、虫が出たら農薬、草が生えたら除草剤っていうようなことが一般的に行なわれている中で、元々、そうした自然を傷つける資材を使わない農業をやりたいという想いが当初からあったので。

 そういうものを一度使ってしまうと、自分の中でずっと追い求めている答えにたどり着かないというんでしょうか。例えば、人を例にして言うと、病気になって薬などで症状をムリやり和らげたり、治してしまうと、本当はそれが生活習慣を改善しなければいけないサインだったりするんですけど、そこを見過ごしてしまうというか。

 農業でも同じことが言えると思っていて、本来自然の中で育つはずの作物が、上手く育たない根本的な原因はどこにあるのか、どこを改善しなければならないのかをしっかりと見極めて、改善していくことが重要だと考えています。

 あとは個人的な性格的にも、上手くいかなかった場合にじゃぁ原因は何だったのかということを考える方が面白いっていうのもあるんですけどね。自然が一体どうなっているのか知りたいというか。まぁ、その答えには永遠にたどり着かないのかもしれないのですけど、そこだけは農業を続ける上で大切にしたいと思っています。

ーー有機栽培での稲作を行なうにあたって、三川さんの工夫について教えてください。

 有機稲作の難しさは、雑草対策のむずかしさと言って良いと思います。うちの田んぼでは、この地域の風土、田んぼ一枚一枚の個性の違いや年ごとの気候の違いによって、いくつかの農業技術を参考に、それぞれを組み合わせながらそこの土壌にあった最適な稲作りを行なっています。

 例えば、雑草は土を正常にするための役割りがあるので、生に近い稲藁や、未熟な堆肥などを入れると・・・

その毒(植物にとっての有害物質)を吸い出すかのように雑草が大量発生します。

 そのため、うちの畑では秋の収穫後に、田んぼを出来るだけ乾かして、冬から春の代掻き前までは何度も浅耕し、代掻き、除草かけを工夫して稲藁の分解を進めて腐植化することで、雑草が極端に少なくなるようにしています。

 その他には、期間をあけての2度代掻きや、深水管理など様々な工夫を行なっています。また、この地域は標高も高く、通常の農家が田植えをする5月上旬には気温がまだ寒いため、育苗時の寒さによる苗の病気を防ぐために、1ヶ月近く遅い田植えを行なっています。

ーー三川農園さんでは合鴨農法(あいがも農法)もやられているとお伺いしたのですが。

 以前はあいがもを活用して稲作を行なっていたのですが、田んぼの面積を増やしたこともあり、現在では除草機がはまってしまう深田の1枚だけで行なっています。

ーー面積が増えてくると合鴨農法は難しくなるのでしょうか?

 あいがもは生き物ですので、生き物を飼う難しさも当然あります。ヒナはやはり弱いので、ここ名倉では寒さもあってか、ちょっとしたことでヒナが死んでしまったりします。また、外で飼うとイタチや狐、鷹やカラスなどにも狙われてしまいます。これまでも、途中で動物に捕えられて、羽数が減って失敗したことが何度もありました。

 また、あいがも達が逃げないように電気柵で田んぼの周囲を囲い込むには大変な労力がかかったり、成長した後の処理が大変なことから、田んぼの面積を増やす場合にはこれのことが課題となります。

ーー環境にエコな合鴨のイメージがありますが、実際に田んぼで活躍してもらうとなると裏では農家さんの大変な努力があるのですね。

ーー三川農園さんでは毎年、地元の小学生に向けて稲作り体験をされているとお聞きしました。

 5年前(2011年から)毎年、地元の小学校の子ども達に田んぼの一画を貸して、稲作りをやってもらっています。日本人の主食である米の生産を体験するというのは、「生きる力を育てる」という総合的学習のスローガンにふさわしい体験だと考えています。

 よく、子どもの稲作り体験というと、田植えと稲刈りだけやらせておしまいという授業が通常は多いですが・・・

うちでは苗づくりから田植え、草取り、収穫、食事までと稲作りの全てに携わってももらうようにしています。

ーーそこまで徹底した稲作り体験は珍しいですね!

 田植えと稲刈りは稲作りの中で一番楽しい部分で、言ってみればスタートとゴールです。僕たちは命を食べて自分達の命を支えていますが、稲ももちろん命です。スタートだけすれば楽しい結果が付いてくるというものではありません。

 やり始めた以上、責任を持って労力をかけなければ枯れてしまったり失敗することももちろんあります。その過程こそが最も大切だと思っています。そしてその過程には、稲を取り巻く複雑で素晴らしい命の世界があり、その中で子ども達自身の五感によって体感してもらう様々なことが、後々の子ども達の人間形成に良い影響を与えるものだと思っています。

ーーとても素晴らしい考え方ですね!

 例えば、苗づくりだと、玄米(籾)をまくと芽が出る。この体験はとてもインパクトがありとても嬉しいものです。そして苗は、水やりを忘れたりするとすぐにひからびてしまいます。自分の苗箱を決めて、自分の苗として育てることで作物への愛着がわき、責任感や後の栽培や収穫への期待が育ちます。

 もちろん、水やりを忘れて枯らしかける子どももいるのですが、大抵、枯れかけた姿を目の当りにすればその後は一生懸命になります。

 田植えも、田んぼの中に入ると子ども達から「キャー」「うぉー」「きもちわるーい」という叫び声が必ず聞こえます(笑)。そのくらい素足で田んぼに入ると独特の感触があるんですよ。ぬるぬるの中に石があったり、温度が水面と奥の方で違ったりと、複雑な感覚を手だけでなく、足でも感じます。足の裏で多様な感覚を感じるのは、現代人が忘れがちなことの一つです。

 その他、カエルやゲンゴロウのような虫が顔を出すと、男の子たちは仕事をほっぽり出して生き物を追いかけたり、自分の仕事の早さやきれいさ、時間までにどまで終わらせられるかといった感覚も養われてきます。

ーー人間としての感性を磨く本当にぴったりの学習体験ですね。草取りも子どもたち皆でやったりするのでしょうか?

 もちろんです。草取りは誰もが楽しいという仕事ではないですし、腰を曲げるのも疲れる仕事です。ただ、植えることと違って、この仕事をしないと収穫が出来ないということも伝わりにくいです。

 ただ、2回目の草取りともなると大きくなっている草もあり、稲の生育が自分達の仕事によって変わってくるという実感が出てきます。そして草取りをがんばることで、後でがんばって世話をしたんだという気持ちで収穫が出来るようになります。

ーーそもそも、そのような子ども達への学習の場を提供しようと思われたのはなぜなのでしょうか?

 僕の奥さんが小学校の先生なんですが、発達障害の子たちを教えていた時期がありました。ただ、学校の勉強は中々思うようにいかずに悩んでいたところ、子ども達に田んぼの体験をしてもらうのはどうかという話になって、実際にやってみると子ども達もすごく喜んでくれて。

 そして、さらに重要なのは、稲作りを通して、ちゃんとやれば結果がでる(稲が育つ)、やらないと結果がでない(稲が枯れてしまう)ことを実際に田んぼで子ども達が感じてくれたことでした。

 農業は人が生きていくための食べ物を作るという目的がしっかりしているので、学校の授業よりも、なぜやるのか、ということがはっきりしている部分を子ども達も感じたのだと思います。そして、その後は学校の授業の姿勢までも変わっていったとのことで、以来、毎年こども達の受入れを続けています。

ーー三川さんが今後目指されている農業はどのようなものでしょうか?

 やっぱり、後から有機農業に入ってくる若い人がしっかりと独立して生計を立てられるような、そんなお手本になる農業にしていきたいと思っています。有機農業をやりたいって人が出てきたときに、有機農業じゃ食べていけないんだよっていう風に言いたくはないので。

 最近は有機農業をしたいという人も多くなってきているのですが・・・

一方で、経済的な問題で途中で辞めてしまう方も多いので。

ーーそうした意味では、農家さんだけでなく、消費者の方々の考え方も変えていく必要があるかもしれませんね。三川さんから消費者の方へ伝えたいことはありますか?

 僕たちのような有機農家の作物を買って頂く方には、食材自体の美味しさや食の安全、自らの健康を気にされて購入して頂く方も多いと思いますし、それはお客さんにとって当然のことだと思います。

 一方で、もし消費者の方々にお願いさせてもらえるとすれば、これは食べ物だけの話ではないのですが、消費者の方がどのようなもの、何を選ぶか(購入するか)によって、その背景にある全てのことに、それぞれが影響を与えているということを認識してもらえるとありがたいですね。

 最近では、電気の自由化によって、発電の方法なども間接的に自分で選択できるようになった訳で、個々人が何を買うかということなんてそんなに大きな影響はないと思われるかもしれないのですが、その積み重ねが社会や地球全体に大きな影響を及ぼすことになる訳です。

 有機食材を買って頂くことで、バッタやトンボがよりたくさん生きていけるような環境づくりに貢献しているわけで、そういうところまで想像してもらえると自分達としてもありがたいですし、消費者の皆さんに、自分が何を選ぶかで、世の中を作っていく、変えていくという意識があると社会も少しずつ良い方向に変わっていくのではないかなと思っています。