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どまんなか野菜

どまんなか野菜のイチオシの野菜

寒暖差の恩恵が産んだ無情の甘み
季節の野菜セット

豊かな自然の恵みをうけて育った旬のとれたてお野菜を、7~10品目程度を詰め合わせて、宅配便でお届けします。

まずは一度、野菜セットを試してみたい!という方には、お試しセットもご用意しております。どうぞお気軽にご相談ください♪

主要品目の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
にんじん
レタス/サニーレタス
モロヘイヤ・青しそ
じゃがいも
なす・トマト
オクラ
かぼちゃ
さつまいも
大根
里いも
キクイモ・ねぎ
黒豆・大豆・小豆

Farmer Profile

本橋 秀一
(もとはし しゅういち)

本橋 秀一

茨城県土浦市出身。医薬品関係の会社を退職後アジア諸国を放浪。旅先で会った人々の笑顔と出会い、帰国後、『豊かさとは何なのか?』をテーマに、自分の暮らしを自分で作りたいと就農。のどかな里山風景が広がる筑波山の麓の石岡市(旧八郷地区)にて、畑6反と田んぼ2反で、年間50種類以上の野菜を農薬はもちろん、肥料や堆肥も使わない自然農法で栽培している。趣味は海外を旅して周ること。

世界をみつめるイケメン農家

 旅先で出会ったアジアの人々の心の豊かさに衝撃を受け、帰国後は"真の豊かさとは何か?"をテーマに、自分の暮らしを自分で作りたいと百姓になる。熱い想いを胸に、1年目から栽培が難しいと言われる自然農法(栽培)にチャレンジし続け、今では年間50種類以上の活力ある元気な野菜を栽培。謙虚で笑顔が眩しいイケメン農家を直撃した。

上村 聖季

担当:上村

ーー農業を始めようと思ったキッカケは何ですか?

 自分は元々旅が好きなので、海外をずっと旅していたんですけど、帰国してから自分は何をやりたいかなと考えたときにまず思ったことが、自分の暮らしを自分で作れるようになりたいなということでした。日本には百姓(様々な生業をして生計を立て人)という文化があるので、自分が食べる物を作れば生きていけるかなぁと思って種まきを始めたのがキッカケですね。

ーー自分の暮らしを自分で作れるようになりたいと思った理由はなぜでしょうか?

 昔、カンボジアのバラックスラムで日本語の先生をやらせてもらったのがきっかけで、衣食住を考えたときに、自分の方が先進国に生まれて・・・

 現地の人たちよりも自分の方が幸せだってやっぱり色眼鏡で見てたんですね。でも、自分よりも幸せそうに笑っている子どもや大人がいっぱいいたんですよ。

 それがすごい衝撃で。それはなぜなんだろうって考えたときに、自分なりに答えをだしたのが、今を一生懸命に生きているということ、そして自分たちの生活は出来る限り、自分たちでやっていたんですよ。

ーーとても重要な気づきですね。でもいきなり農業を始めるというのは大変ではなかったですか?

 もちろん初めは安定した収入やお金があるわけではないので、最初1年半くらいは朝から夕方まで畑作業、週の5、6日は夕方から飲食店でアルバイトをするというような生活でしたね。

ーー畑作業と飲食店でのバイト、凄まじい生活ですね。体はこわさなかったのですか?

 夏場に畑仕事で汗だくになって帰って来て、すぐにシャワーを浴びて働きに行ってという生活を繰り替えしていたら体重が15キロくらい落ちたんですよね(笑)

 そんなときに農家の仲間が、就農給付金※の存在を教えてくれて。その時は体調は壊さなかったですけど、そのままやっていたら必ずどこかで体がおかしくなるだろうなとも思っていたので、それなら給付金をもらって農業い専念しようかと。それからは農業の方でいろいろと広がりもでてきて、それまでやれなかったことがやれるようになってきました。

 ※ 青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、就農前の研修期間及び経営が不安定な就農後(5年以内)の所得確保を確保するために、自治体から給付金を受けられる制度。

ーー自然栽培をやろうと思われた理由、そしてそれを続けられている理由はなんでしょうか?

 農業をやろうと思ったときに、元々はどこかに一度研修に行った方が良いなと思っていたんですけども、自分の性格上、どこかで研修を受けてしまうと、ずっとそこで教わったようにしか出来なくなってしまうんじゃないかなぁとも思っていて。

 なので、まずは実際に自分で体験して思うようにやってみようと思って、インターネットや書籍で農業について調べていたら、有機栽培という言葉がいろいろと出てきて、もちろん自分もその言葉は知ってたんですけど、その他に自分の知らなかった「自然栽培」や「自然農法」というワードも出てきたんですよ。

 それでもう少し深く調べていくと、なんだこれ・・・

 おもしろいなと。農薬はもちろんのこと、肥料さえも入れず、また、自然のあるがままに種を採っていくやり方がすごく面白いなぁと思ったこと自然栽培に興味を持ったきっかけですね。

 それから、有名な福岡正信さんの「わら一本の革命」という本を読んだり、自然栽培、自然農法を実践されている人の本を読んだりしていくうちに、実際に失敗してでも自分でまずやってみようということで自然栽培という方法で畑を始めました。

ーーわら一本の革命は、自然栽培や自然農法を実践される生産者さんが皆さん読まれていますね。

 ただ、自分の考え方として、農業のやり方は地域や農家さんによって違うので、何かこうじゃないといけないというものはないんじゃないのかなとも思っています。自分の(農業の)目的は、食べてもらった人に喜んでもらいたいというのがメインなので。美味しいものを食べてる瞬間て嫌なことも全部忘れているし、幸せじゃないですか。そんな時間や体験を自分のところの野菜でお客さんに提供できたらうれしいなと。

 自分がやっていることは、種を撒いて、ちょっと野菜の世話をしているくらいのことなので。結局作物が育つのは、作物自身のいのちの力じゃないですか。自分はただその手伝いを出来たら良いなと思っているだけなので。

ーー何か達観された考え方ですね。

 こういう考え方も実際に自分でやりながら感じてきたことですね。結局畑の中に全部つまっているので、あまり形式的な勉強をするのは辞めようと思いました。もちろん、作物に関する基本的な知識は絶対にあるので、そういうところはしっかりと勉強しますけれども。

ーー過去に農業関係のお仕事は経験されたことはあるのですか?

 実は自分の実家が農家なんですが、仕事を手伝ったことは殆どなかったんですよね。むしろ親が生活していくのに大変な農家という仕事を継がせないようにしていました。

 農業関係の仕事ということでは、昔、長野の高原野菜の収穫を春から夏までみっちりと手伝うアルバイトをしたことはあります。そのときに驚いたことは、その地域では作物の病気を防ぐ為に毎日どこかの畑は土壌消毒をしていたんですよね。

 午前中に収穫をして、午後には土壌消毒してという感じで。それは結局のところ、戦後、森を切り開いて畑にして、化学肥料と農薬をやり続けて来た結果、土壌がクタクタになっちゃってるんだと思いますね。

 そこで働いていたときに、農家のおばさんが、「こんな固いキャベツ本当はつくりたくないのよ。もっと柔らかくて甘いキャベツを作りたいのよ」と仰っていました。でも、流通に流すためには型崩れのしない、かちっとした見た目の良いキャベツを作らないといけない。

 その辺は、個人的になにかちょっと違うんじゃないかなぁ思った記憶があります。美味しいものを育てたいけど、売れなくちゃしょうがない。そこで、売り先や売り方を農協に全て頼んでしまうと美味しさとはまた別の農協の要望にあったものしか作れなくなる。そんな矛盾のようなものを感じましたね。

ーー本橋さんにとって農業の魅力はどんなところでしょうか?

 種を撒いたものが発芽して作物になり、それが自分の口に入る。またそこから種を採ったものを撒けば作物が採れるので、どこにも搾取されている部分がないじゃないですか。そういう意味で、自分の暮らしを自分で作っていけるというのが農業の魅力ですかね。

 周りの農家さんの中には、大豆を育ててお醤油や味噌を作ったり、年始になったら近所の人を呼んで餅つきをやったりとか。麦を作ればパンや麺類なども作れますし。農業って良い意味で生活が深く広くなりますよね。そういうところは生きていく上で強いなと思いますし、何よりも、やっていて楽しいというのが一番ですね。

ーー逆に農業をやっていて大変なことは何ですか?

 販売の部分はまだまだ大変ですね。例えば・・・

 都内の販売イベントなどへの参加は夏場とかだと出来るだけ新鮮なものを持っていきたいから、前日のお昼過ぎ頃に日が傾いてからわーっと一気に収穫していくんですよ。収穫作業を終えて商品の袋詰めなどをしていると夜中2時くらいになります。朝穫りの葉物なんかは朝4時に収穫して持っていったりするので、寝ている時間があんまりなかったりするんですよ。

ーーマルシェなどのイベントが都内では最近流行っていますけど、生産者さんは大変なんですね。

 まぁそれが大変かっていうと、自分はそんなに大変とは思わないんですけど、嫁さんはいろいろ巻き込まれて大変だなとは思いますね(笑)

 あとは草ですね。6月くらいになるともう畑が草原のようになるんですよ。夏野菜を植え付けて1ヶ月くらいすると、夏野菜をどこに植え付けたか分からないくらいになっちゃいます。初めの頃なんか、那須が草の中から少しだけ顔を出している状態で、うわー綺麗だなと思ってみとれるいる内に、草に養分を取られたのか、根を張れなかったのか、茄子がどんどんダメになっちゃったこともあります(笑)。

 そして大変というか、一番悔しいことは、本当は周年でお客さんに野菜セットを供給したいんですけど、3月や4月などは作物が少なくなるので、ものが無くてお休みしちゃったりしたときはお客さんに申し訳ない気持ちでいっぱいですね。

ーー本橋さんのこだわりについて教えて頂きたいのですが、堆肥などは入れられていますか?

 堆肥も全く入れていないですね。自然栽培や自然農法は、1、2年目までは前の畑の残肥が残っているので作物はある程度出来るんですけども、3、4年目になるとガクッと収量は落ちるんですよね。

ーー自然栽培は皆さん同じように言われていますね。

 近所に自然栽培を30年以上やられている農家さんがいらっしゃって・・・

 たまにその方のところへ遊びにいくのですが、土もフカフカですし、何もしなくても虫もでないなどやっぱりすごいですよ。自分もそうした自然栽培の先輩方をあちこち見に行きながら、試行錯誤をして栽培を行なっています。あと、基本的にはマルチなどのビニール資材も一切使いません。

ーー自家採種はされているのですか?

 出来るものは種を採るようにしています。白菜やキャベツなどのアブラナ科の野菜などは、春に花が咲くのですが、その時期は他にもいろいろな植物の花が咲く時期なのでそうした植物と交配しやすいんですよ。なので、そういったものは難しいのですが、例えば、豆類だったりとか、なすやピーマンなど果菜類系の作物などは出来るだけ種採りをしています。

 自家採種の採り方も個体選抜といっていろいろとあるので、実習型の勉強会等には参加させてもらうんですが。

ーー自家採種は芽が出なかったり、作物の成長が個体個体で違って来るので大変ですよね。

 そうですね。でも植物ってすごい賢くて、一年で自分の成長の記録などを種にインプットするんですよ。例えば、外で買ってきた種でも、肥料がないところに撒いて、1年目に上手くできなくても、そこで種をつけたものは肥料がない環境を遺伝子にしっかりとインプットしているので、そこで種取りをやっていくとその土地に馴染んだ作物になるんですよ。

 日本でも、京野菜や鎌倉野菜、加賀野菜などそういったブランド野菜はその土地でずっと種を取り続けて馴染んでいったもののことなんですよね。

ーーその他、本橋さんのこだわりはありますか?

 今(3月)はちょうど夏野菜の種まきの時期で、山から枯葉を持ってきて、それらを刻んでそこに水を撒きながらギュッギュ、ギュッギュ踏み込みます。そのときに発生する葉っぱの熱を利用して夏野菜の種を撒いたものを発芽させる踏込温床という昔ながらのやり方で種を発芽させています。

 あとは苗を育てる培土というものも買ってくるのではなく、自家製で作っています。初めは培土も購入していたのですが、自然栽培をされている方に、培土には化学的なものがたくさんふくまれているので、それじゃあ自然栽培とは言わないよとお叱りを受けたんですよ。

 培土は自分のところで作ったお米を脱穀して籾殻をとり、これで薫炭を焼いて、籾殻薫炭にし、畑の土と、踏み込み温床の土を混ぜて作ったものを使っています。

 また、籾を土に抄き込んであげることで、生物が住みやすい環境を作ってあげたり、大豆の殻なども粉砕器で粉砕して、田んぼの土に抄き込んであげたりということはやっていますね。、藁はかぼちゃの栽培時に温度を保つために表面に敷いてあげたりと、人工的な資材ではなく、自然に還るようなものを使って栽培をするようにしています。

ーー本橋さんの作物は色がすごく綺麗ですね。

 無肥料でやっていると何が良いかっていうと、色が淡い色で綺麗なところなんですよ。それは硝酸態窒素が作物に貯まっていない証拠でもあります。

ーーオススメの野菜などはありますか?

 オススメは時期によってそれぞれあるのですが、まず、ルッコラは自分が好きなのでオススメです。あとは夏のトマトのちょうど梅雨が空けてから、雨が1週間とか降らないとぐっと糖度が上がるんですよ。そういうトマトはメチャクチャ美味しいです。あとはスナップえんどうや豆類などもお薦めです。初物のスナップえんどうを食べたときなんかは、美味しくて涙が出そうになりましたね(笑)こんなに美味しいんだ!って。

 スイートコーンなんかも採りたてを生で食べてもらったら、口の中でプチプチとはじける甘さで絶品です。そして、グリンピース。グリンピースってふつうは豆を大きくしてから出荷するんですけれど、まだ豆のちっちゃい頃の若いやつ。これを割いて豆だけ食べるとメチャクチャ甘くて美味しいんですよ。

 そういうものは中々出荷には回せないんですけども、その時期に遊びにこられた方には必ず食べさせてあげます。実は豆類って、枝豆とかもそうなんですけども、収穫した瞬間から鮮度がどんどん落ちていっちゃうんですね。よく田舎の人が言うのが、枝豆は収穫する前にお湯を湧かせと言われるくらい。

 枝豆なんかも冷凍のものしか食べたことのない人は、ウチの採りたてのものを食べたらメチャクチャ美味しいと思いますね。採りたての枝豆とかは野菜セットとかを購入して頂いている方に送っていて、特に黒豆なんかは本当に美味しい時期は一週間くらいしかなくて、その時期にわっと注文をもらったりしますね。

ーーやっぱり鮮度によって食材の味は天と地の差があるということですね。

 やっぱりその時々の旬のものをしっかりと食べた方が味はもちろんのこと、体にも良いです。例えば、夏野菜は体を冷やしますし、逆に冬野菜は体を温めます。旬て本当に大切だと思いますね。

 今はトマトに恋いこがれる時期で(笑)。3月頃から種まきが始まるんですが、今から種を撒いても7月中旬くらいまでは採れないですよね。収穫の時期も、採れるれるのが7月中旬から大玉トマトとかだと大体8月下旬頃にはピークが終わっちゃうので、その1ヶ月半に必死になって食べるんですよね(笑)。そしたらまた来年迄お預けという感じで。ただ、それがこの地域の循環であり、野菜などの作物の本来の姿なのかなと。

 もちろんスーパーには年中トマトがあるんですけども、旬とはかけ離れた時期に温室のものを食べてもそんなに味もないですし、旬のものと比べるとやっぱり味は落ちるので、その時々の旬の美味しいものを食べていくようにはしています。

ーー本橋さんが目指されている将来の姿について教えて頂けますか?

 まずは足下、しっかりと質の高い作物を育ててお客さんに提供できるようになることが大切だとかんがえています。その上で、将来の夢としては、自然栽培を自分が取得できたら、それをこれまでお世話になった海外へ持っていけたらいいなと。自然栽培は農薬も肥料も使わずに作物ができるので、化学肥料や農薬を戦後たくさん使ってきた日本の農業の二の舞にならないように出来るんじゃないかなと。

 今東南アジアでは農薬や化学肥料を使った農業をどんどん始めだしたところで、特に大きな経済成長をしたタイなんかは、中国の安価な農薬や肥料が大量に入っていて、土壌や作物にすごい量が使われているため、昔自分の滞在していたカンボジアの人たちはタイの野菜などは買いたがらなかったりしていましたね。

ーー消費者の方へ伝へ伝えたいこと、知ってもらいたいことなどはありますか?

 本来、野菜には大きさや形など個体ごとの個性があるということを知ってもらいたいですね。個人的に本当に切ないのが、例えば、この辺で人参などを大規模でつくっている人の畑などを見ると、規格外のものが、もうぶんぶんと投げ捨ててあるんですよ。

 一般的な量販店で売り物なるものだけを梱包して、あとのB品などはただ畑にぶんなげられているんですよね。うわ、もったいないなといつも思いますね。そんな野菜の個性を認めるような消費者さんがもっと増えたらもっと良いのになぁ・・・

 とは思いますし、自分たちもそうした情報をどんどん外に発信しないといけないとも思っています。

ーーその変の背景や事情は消費者さんがなかなか気づきずらいところではありますね。

 でも、一昔前とくらべると消費者の皆さんも考え方が変わってきているようには思いますね。例えば、今迄は色の濃いものが良い野菜と思われている方も多かったのですが、あまり色の濃すぎるものは、特に葉物とかなんですけど、硝酸態窒素という人間が食べると良くないような成分が多く含まれているということが理解されてきたりして、そういったものを選ばない人も増えてきていますよね。

 あとは、今スーパーに年中野菜がとても安い価格で当たり前のように並んでいるんですが、どんな作物も時間をかけて農家さんが丹精を込めて作ってるということは知ってもらいたいですね。

 もちろん、農家も農業が好きでやっている人が多いとは思うのですが、時間給で考えるとやっぱり相当賃金は安いんですよ。ふつうにアルバイトしていた方が効率は良いと思いますね(笑)そういう手間暇かかったものをお届けしているということを少しでも知って頂けるとありがたいです。

ーー本橋さんは旅が趣味だと思うのですが、その辺りのお話を伺わせて頂けますか?

 旅を始めた理由は、インドのマザーハウスに行ってみたかったことが初めのきっかけです。その後、世界一周をしようと思っていたのですが、東南アジアが濃すぎて、アジアをぐるぐるしているうちに結局1年半以上経っちゃって、お金が尽きてきたので帰ってきたんですよね(笑)。

ーーバックパッカー的な感じで各国を周られていたのですか?

 そうです。ネパールでは仏陀が開いた瞑想法を教わりに・・・

 お寺のようなところに2週間くらい入ったりだとか、旅の途中にこれは面白いって思ったものをいろとやっているうちにどんどん時間が過ぎていました。

ーー以前は会社に務めていたとのことでしたが、なぜ旅に出られたのでしょうか?

 前職のときは、給料ももらって、ボーナスももらって、当時大学時代から7年付き合っていた彼女もいて、そのままいけば結婚をしてふつうの生活をしていたのかもしれないんですが、ずっと自分の中で、このままで良いのかなという気持ちもどこかにあって。

 お金があるのに老後の心配だとか、いろいろな悩みを持っていたりしていました。そんなときに、カンボジアでNGOをやっている団体に出会って、仕事の休みをもらってカンボジアに行ったのが全てのきっかけで、そこで全部いろいろと壊れたところがありましたね。それで長期的に旅がしたいということで働いていた職場を辞めて旅を始めました。

ーーそこから大きく生き方が変わったのですね。

 といっても周りからはずっと遊んでいるようにしか思われてなかったですけどね(笑)

ーー今は旅への情熱も落ち着いたということだったのですがその理由はなぜでしょうか?

 旅で感じてた、自分の価値観が壊れる瞬間を、実はこの八郷という地域に引っ越してきてからいろいろ感じているんですよ。この地域には本当に面白い人がたくさんいるので。周囲も山に囲まれているので、自分の中ではチベット自治区のように感じているんですね(笑)。

ーー面白い人とはどのような人たちでしょうか?

 自分の暮らしを自分で作っている陶芸家の方だとか、有機農家の方にしてもまだ世間で有機という言葉が全然広まっていない40年くらい前からやっていたりだとか。あとは、書道家の方や世界中をヨガで周っている人が山の中にいたりだとか結構変わった人たちが集まっています(笑)。

 引っ越しをしてきたあとも、近所の人に「家はどこに住む予定なんだい?」と聞かれて、「当分は貸家なんです」って答えたら、「家を建てるときはいつでも道具を貸してあげるから」と言われて、家も自分で建てるものだという考え方なんですよね(笑)

ーー文字通り百姓ですね。

 まさにその通りですね。

 あとは住んでみて田舎の良さというか、本当に自然豊かで、今の時期はちょうど田起しが始まった時期なんですが、これから新緑が芽生えて来ると山が皆笑うと田舎の人はいうんですけども、柔らかくて、春風にゆれるとふわふわする時期がきます。

 その後は、田んぼに水が貼って、そこに空が映し出されます。田植えが終わると今度は緑が一面覆われて来ると風が通るのが見えたり、そうこういているうちに田んぼがどんどん黄金になって。そんな季節の移り変わりをみてるとそれだけで楽しいですね。なので今は旅の意欲も全然なくて、種を撒いてこの地域にいるだけで楽しいんですよ。