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松尾柑橘園

主要品目の栽培スケジュール

1月2月 3月4月 5月6月 7月8月 9月10月 11月12月
ふき
レモン
甘夏
ブリーベリー
早生みかん
青島みかん
キウイ

Farmer Profile

松尾 護
(まつお まもる)

松尾 護

静岡県出身。25歳でみかん農家となって以来、40年以上みかんを中心とした柑橘系果の栽培を営む大ベテラン。25年前に農薬まみれだったみかんの栽培方法に疑問を持ち、それまでのやり方を全て捨て、みかんの自然栽培に挑戦。熱海の美しい町並みを見下ろす高台で無農薬みかんを作り続ける職人

無農薬みかんに挑む巨匠

 みかんづくりの巨匠、松尾護。みかんの栽培にこだわる職人気質の性格とは裏腹に、その人懐っこい笑顔と明るい性格で、みかんづくりについてお話を伺うことができました。地域に存在する数々の生産者組合の長を務めるなど、地域農業のリーダー的存在として活躍する松尾さんに、みかんの無農薬栽培に取り組む想いを伺いました。

郡野

担当:郡野

ーー農業という仕事を選んだ理由は何ですか?

 代々この熱海でみかん農家をやっていた嫁の家族に婿にきたんよ。結婚したのが25歳のときで。それまでは隣町で5年程お務めをしていて、縁があってこちらへ来た。

 でも、はじめはみかんなんて栽培したことがなかったからよ、はじめの3ヶ月間とその後、さらに1年ちょっとは、特別に県の柑橘試験場で研修をさせてもらって、剪定の勉強をしっかりやったんよ。

 研修後に当時は慣行農法で、温州みかんを中心に栽培を行なって、その後、周年でみかんを収穫出来るような品種を取り入れて、ハウスみかんなども始めたんだけどよ、みかんの価格もそれほど高くなくて。経済的に苦しいということでキウイフルーツなど他の果実も作ってみたりしたけど、当時はいろいろと大変だったなぁ。

ーー慣行栽培から無農薬の自然栽培に切り替えられた理由は何ですか?

 当時、農薬は防護服のようなカッパを着て蒔いたりスプリンクラーで蒔いたりしていたんだけどよ、そんな環境の中で、このままじゃ、まずみかんをつくっている自分の身体が農薬の害で保たないなと思ったわけよ。

 過去に農協の役員も務めてきたこともあるけど、とにかく肥料漬け、薬漬けの世界なんよ。農薬をかけてつくったみかんの外見はすごく綺麗に出来たから、品評会などに持っていってもその美しさは評価をされたんだけどよ・・・

 実際に自分でつくったみかんを食べてみると、薬まみれでつくったこんなみかんなんて人間がずっと食べる様なものではないな、そう思ったんよ。ただ単純にこんなやり方を続けていてはだめだなと。

 そんなときによ、伊豆山神社の新嘗祭の品評会へ参加する機会があって、当時農会の役員だった自分もそこに招待されたんよ。その頃は、ちょうど薬漬け、肥料漬けの慣行農業を続けていてはまずいなぁと思っていたところで、農薬も化学肥料も一切使用しない自然農法による農業の取組みをしているという人たちの話を聞きいて、それならば一緒にやろうということで自然栽培に取組み始めたのが今から25年も前の出来事なんよ。

ーー慣行栽培から自然栽培へ切り替えられて苦労されたのはどんなところですか?

 もうはじめは苦労の連続だった(笑)。最初3年間くらいまではみかんが虫だらけで殆ど穫れなかったね。あまりにも虫が酷かったので、畑一面切り落として捨ててしまったんよ。

 でも、自然界とは本当によく出来ているもので、農薬や化学肥料無しでも4、5年目頃から徐々に収量も回復していったな。

 農家にとって作物に害を及ぼす虫を害虫と呼び・・・

 益を及ぼす虫を益虫だというけれど、それはただの人間からの目線で評価しているに過ぎなくて、実際には、虫に害虫も益虫もなくて、自然の世界では本当にたくさんの生き物が絶妙のバランスの中で互いに生活していて、薬漬けにしなくても作物はしっかりと取れるということが分かったんよ。

 その後、熱海周辺地域で無農薬栽培を行うメンバー7、8人を集めて自然農法の会を立ち上げて、以来ずっと会長をやっている。でも、過去には果樹農家だけでなく、野菜をつくっている生産者さんも何人かいたけど、同じ時期にたくさんできる野菜は、販売面で一般の野菜との差別化も難しくて、販売に苦労して辞めてしまった人も多かったのは辛かったなぁ。

ーー自然栽培で大変な点はどんなところですか?

 虫の問題は、自然栽培に切り替えたはじめの3年間以降は特に大きな問題では無くなってきているけれど、雑草の整理については15年前からずっと苦労している。

 慣行栽培であれば年に一度、強力な除草剤を蒔けば、雑草は一気になくなるんだけども、自然栽培ではそういう訳にもいかない。ここの場所(インタビューを行っていた圃場の一部)なんか今年すでに5回くらい草を刈っているんよ。

 これが全ての圃場の面積になると本当に大変。特に、夏なんかは朝4時頃から畑に来て朝8時くらいまでには草刈機で刈ってしまわないといけないし。まぁ、この15年で草刈りのプロフェッショナルにはなったかな(笑)

ーー現在栽培している品種は何ですか?

 極早生、早生、青島、その他甘夏やキュウイ、レモン(10月頃から来春の6月頃までずっと)、ブルーベリー(2反歩半)などを栽培している。

 栽培を初めて初めの頃は、温州みかんに加えて、甘夏を植えてみたけど、味がとても酸っぱくて接ぎなおしたりした。その内に、甘夏の価格が安くなってしまったため、新しい取組みとして次はネーブルを育てたんよ。ネーブルは雨に弱い品種なので、ハウスを建て、屋根を作って栽培を行っていた。

 そうすると非常に良い品質のネーブルをつくることが出来、静岡県の品評会でも選出されるようになった。すると、次にオレンジが自由化され、ネーブルの価格も安くなってしまったんよ。

 その後は清見をつくり出して3年目くらいでなり出したのだが、3-4年目頃にカラスとヒヨドリが来て全て実を食べてしまい畑が一面ジュースのようになった。その後、レモンに接ぎ木をしたのだが、やはり何度も接ぎ木をしていたために根がダメになっていてあまりうまくいかなかった。だから今あるものはすべて苗から育てたものなんよ。