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安坂谷農園

主要品目の栽培スケジュール

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Farmer Profile

北郷 俊明
(きたごう としあき)

北郷 俊明

地元、福島県いわき市にて造園業を営むも東日本大震災を機に、食の安全や次世代を担う子どもたちへ自分が出来ることについて考え、家族とともに長野県東筑摩郡へ移住。自然の力を最大限に引き出す農業を目指して、農薬も肥料も使わない自然栽培にて新規就農。奥さんとお子さん3人の5人家族。

高い倫理感を持つ信念の農家さん

 土壌汚染や環境破壊など、自分達の世代が生み出した課題を子ども達の世代へ先送りしたくない。そんな熱い想いを語る、北郷さん。自然豊かな長野県東筑摩郡にて、自然の力をどこまでも信じ、農業を通して土壌の回復、安全な食材の提供を目指す北郷さんに、栽培のこだわりや営農にかける想いについてお話を伺ってきました。

上村 聖季

担当:上村

ーー北郷さんが前職を辞めて農業をはじめられた理由は何ですか?

 前職は地質や造園関係の仕事で、元々土や植物を相手にしており、大阪や福島に住んでいたときから家庭菜園などはずっとやっていました。

 農業を始める直接の契機となったのは2011年の東日本大震災です。原発の事故以来、自分の中でこれからの時代を生きるこども達に自分は一体何をしてあげられるのか、ということを真剣に考えるようになりました。

 その中でいろいろと考え、調べていくうちに、現在を含めて、・・・

今後、人々が口にする食べ物が危ないという事実に気づかされました。

 福島に住んでいたこともあり、できれば放射能による汚染も農業の力で土壌から放射性物質を取り除いていけるような土にしっかりと戻し、子ども達の次の世代につないできたいと思いました。その手始めとして、まずは自分でしっかりとした農作物を作れるようになりたいなと農業をはじめました。

ーー農薬も肥料も使わない自然栽培を選ばれた理由は何ですか?

 放射能の問題があり、どういう食べものが安全で、どういうも食べものが危ないのかというのをいろいろと調べていたところ、大阪にいたときに読んだ福岡正信さんの「藁1本の革命」という自然農法について書かれた本を思い出し、農薬も肥料も使わない自然栽培が、土の持つちからを最大限に活用する栽培方法ではないかということではじめたのが理由です。

 ただ、自然栽培が必ずしも自分の中で一番良い栽培方法でるという風には決めつけないようにはしています。自然栽培といってもいろいろな考え方ややり方があるので、個人的には、あまりどっぷりハマり過ぎないように距離感をもって、自分が吸収できるところは吸収していこうというスタンスで営農するようにしています。今後、農業を通してより自分のこだわりや理念にあった栽培を見つけていきたいと思っています。

ーー北郷さんが今後目指される農業について教えて下さい。

 安全で美味しい野菜やお米を作りたいという気持ちに加えて、農業を通してより健全な土壌を復元させたいなといという想いが強いです。そのためには私自身が自然のことをもっと知らないといけないと思っています。

 自然を知るということにおいては、農業という仕事は直接土や植物と向き合えるのでそこに近い仕事ではないかと思っています。農業をある程度突き詰めていくと・・・

自然の力を理解し、その力を最大限に引き出せるようなレベルにたどり着けるのかなと思っています。

ーーまずは自然をしっかりと理解し、自然の自然治癒力を活用して、健全な土壌を取り戻すということですね。

 あとやはり強く想っていることは、子どもたちの世代へ出来るだけ良い世界を引き継ぎたいということです。僕が農業を始めた大きな理由もここにあります。

 そのため、この目標を見失うと、農薬や化学肥料を使い、商売のためだけに農業を行うということにもなりかねず、常になぜ自分は農業をやっているのかということを意識するようにはしています。

 農薬や化学肥料の大量使用は、長期的に土壌のちからを弱め、その土地で持続的な農業を行うことが難しくなります。農業だけでなく、環境汚染から日本国が抱える膨大な借金まで、今が良いからということでそのまま放置すれば、いつか全員が深みにハマってしまうように思えてなりません。

 そんな中で、どこかで大人が踏ん張らないといけないのではないかなというのが自分の想いであり、ツケを先送りしないような生き方をしたいという気持ちで農業をやっています。まずは、自分の子どもだけでなく、日本のこどもたち全員に健全な食べ物がしっかりと渡るようにしていきたいですね。

ーー北郷さんが農業を始めるにあたり、この地域(長野県東筑摩郡)を選ばれたキッカケはなんですか?

 震災後、農業を始めるにあたり、まずは出来るだけ放射能などの心配がない地域でやりたいといいう想いがあり、長野県から西側の地域で農地や住居を探していました。

 そんなときに、村の空き屋バンクでちょうどたまたま現在住んでいる家をみつけ、この地域で居住し、農業をすることにしたのがキッカケです。

ーー現在どのような品目の作物を栽培されているのでしょうか?

 個人的には、出来れば自分のつくった野菜やお米を東北や関東の子ども達にも食べてもらいたいと思っているので、お米やトマト、なす、胡瓜などの夏野菜から大根や山芋などの根菜類、ほうれん草などの葉物まで、食卓に並ぶような食材は基本的に全て栽培しています。

 一方で、この地域特有の気候条件もあるため、今後は、よりこの地域に適した農作物を中心に栽培していきたいと考えています。また、生鮮品だけでなく、切り干し大根やエゴマなど雑穀の加工品なども作っています。

ーー消費者の方々へ伝えたいことはありますか?

 本当は、現代の生活の中で一般の方々が普段ふつうに食べている食べ物の危険性を知ってもらいたいのですが、ただ、それは人それぞれの考え方次第でもあるので、まずは自分が消費者の方々を惹き付けるような安全で、美味しい食べ物を提供することで、つくられた食べ物ではなく、自然本来のチカラで育ったお米や野菜の美味しさを知って頂ければと思っています。

ーー北郷さんの栽培にあたってのこだわりは何ですか?

 基本的には種をすべて自家採取するようにしています。自家採取は発芽率も低く、栽培スピードも個体によってバラバラなので、実際はかなり大変なのですが、種を毎年採っていかないとこの地域の土に合ったタネ(作物)にならないですし、一般に売られているようなF1※の種を買い続けるということは避けたいので自家採種という方法をとっています。

ーーなぜF1種をつかわないようにしているのですか?

 現在日本で流通しているF1種は、その殆どが海外で作られており、実際に何を使って作られたものなのかが分からないからです。農薬や化学肥料などを使って栽培された農作物のタネをF1として購入し、それを蒔いて栽培したものを無農薬栽培ですといってもなんだかなぁと自分は思ってしまいます。そうした意味でも、たとえ大変でもやはり自家採種は続けていきたいと思っています。

ーー自然栽培の中でも畑に手を入れる管理型で栽培されているのはなぜですか?

 個人的には、農作物も放任すると野草化すると思っているからです。また、私は、人類はもっと積極的に自然の力を引き出せるのではないのかなと思いながらやっているので、畑も自然のまま放置してしまうと、突き詰めれば人間は地球から只搾取(収穫)するだけの必要のない存在となってしまいます。

 適切に人間が手を入れることで、農作物を含めた自然界全体が次レベルにレベルアップしていけるのではないかなという期待を抱いているということも理由としてあります。

ーーこれまで農業をやられてきた中で大変だったことはどんなことですか?

 自分でやりたいと思っていた農業をできているので、農作業自体を辛いと思ったことは一度もありません。たまに来年収入がなかったらどうしようかなぁという収入の不安はありますが。

 ただ、ダメなときはダメなので、そこを今心配しても仕方ないかなと思うようにはしています。家族は心配しているかもしれませんが・・・(笑)

ーーーーその辺りの不安は、自分達も会社を立ち上げてやっているのですごくよく分かります(笑)

※「雑種一代」を意味。雑種一代とは、人工的な交配によって作られた新品種の一代目を指し、今日流通している種のほとんどが、このF1種であるといわれます。F1種は、種の発芽率や作物の成長速度が安定する一方で、その特性は1代しか続かず、毎年F1の種を購入する必要がある。また、F1種を採取する親の作物を栽培する為の農薬や化学肥料の基準値等については、特に法律で定められていない。

ーー北郷さんにとっての農業の魅力、面白さについて教えて下さい

 やはり自分で種から手塩にかけて育てた作物が収穫出来る状態になるのは単純に楽しいです。それを他の人に食べて喜んでもらえるのですから、こんなに良い仕事は中々ないのではないかと思っています。

 また、観察をしていると、こっちの作物は良くなっているが、ここのものはダメなのは一体なぜなのかなと自分なりに考え・・・

ある程度、傾向がみえてくると、じゃぁ次はこういうふうにしようというように、常に学ぶ楽しさがあるというのも農業の魅力なのでしゃないかと思っています。

ーー北郷さんには娘さんおふたりと息子さんがいらっしゃりますが、将来息子さんに農家を継いでほしいと思ったりはしますか?

 うーん、難しいところですね(笑)。息子がやりたいといえば私としては全然ウェルカムなのですが。

 息子も私が農業をやっている姿をみているだろうし、それを見て自分からやりたいと思ってくれればもちろん嬉しいですし、別の道を歩みたいということであれば、またそれはそれで良いのではないかと思っています。